今年の日本シリーズは民放テレビ局の地上波放送の裏で、というより別に、NHKが全試合をBS1で完全生中継している。
となると、どうしても地上波よりBSのほうを見てしまうんですよね、という僕のようなファンは多いんじゃないだろうか。
BSを見ていて、たまに民放にチャンネルを替えると、どうしても攻守交代の間に挟まるCMが邪魔に感じられる。
それ以上に、最近の傾向として、試合中に画面の上下と右を覆っている字幕がどうも目障りでならない。
今夜のフジテレビの中継でも、「連夜の大激闘!ついに王手か?勝負の結末は…」なんて、プロ野球ファンなら「わかってら」と言いたくなるようなコピーをずっと貼り付けてるんだから。
そういう民放の中継に比べると、NHKのほうがずっと、視聴者に見せるべきものと見せなくていいものをしっかりと心得ているような気がします。
今夜は六回、ヤクルトの右翼・サンタナのエラーの間に、オリックスの一塁走者・福田が長駆ホームイン、1−1の同点となった場面で、解説の小早川毅彦さんが1982年の日本シリーズ、西武–巨人の第6戦を引き合いに出した。
あの時は八回2死一塁、西武・秋山のセンター前ヒットを捕球したクロマティが、一走・辻が本塁までは行かないと思い込み、ショートの川相へ山なりの送球をした間に、辻がホームに滑り込んでダメ押しの1点をもぎ取っている。
当時の王者・西武の強さと緻密さを象徴する場面で、オリックスの選手ならそういう過去の教訓を教えられていたかもしれないが、サンタナは知らなかったでしょうからね、というのが小早川さんのコメントの趣旨。
こういう解説を聞いて、あったなあ、あったあった、とテレビの前でうなずいていた僕のような昭和世代のオールドファンもいるでしょう。
ちなみに、第1、2、3戦の民放地上波テレビ中継の視聴率は以下の通り。
第1戦 8.6% フジテレビ
第2戦 7.3% テレビ東京
第3戦 9.3% テレビ朝日
一方、NHK-BS中継の視聴率は公表されていませんが、関東地方ではかなりの高水準で推移していたそうです。
今年の東京オリンピック、最近のサッカー日本代表戦を見ていても感じるけれど、地上波テレビの中継が中心だった時代はもう終わっているのかな。
しかし、日本シリーズにはまだ終わってほしくない。
明日は勝って神戸に帰ろう、オリックス!