【きょう26日アップ&発売!】東京スポーツ『赤ペン!!』353

まだシーズンオフでもないのに、最近は毎日のようにプロ野球界のニュースが更新される。
おかげで、当コラムも2〜3日前にネタを決めておくと、東スポに掲載されるころにはもう何となく古い話を蒸し返しているように感じられてしまう、というケースもないではない。

そのために書く機会を逸してしまったのが、例えばヤクルト・雄平の引退記事。
彼には現役時代に何度かインタビューしていて、2015年、リーグ優勝を決めたサヨナラタイムリーを打った直後にも単独取材に成功した思い出がある。

雄平の引退が明らかになった直後、その原稿に取り掛かろうとした矢先、日本ハムの斎藤佑樹が引退を発表。
ニュース性やネタのインパクトからすると、こちらを先に取り上げざるを得ず、それから1週間立ったら、もう雄平引退の記事を掲載できるタイミングがなくなってしまった。

いや、今後のヤクルト次第では、また書くチャンスはあると思ってるんですけどね。
雄平がCSや日本シリーズのゲスト解説者としてどこかの放送局に起用されるかもしれないし(あくまで想像です)。

というわけで、今回はタイミングを逃さないよう、3日前の土曜、東京ドームで引退セレモニーが行われた巨人・亀井について書かせて頂きました。
実は、亀井のスタメン5番が増えた9月半ば、今季限りで引退するのではないかと、ある程度は察しがついていた。

相手予告先発が右投手の試合限定とはいえ、今季は打率2割1~2分台に低迷。
もはや、クリーンアップを任せるには荷が重い状態だったからだ。

あとで聞けば案の定、原監督はこのころすでに、亀井本人から引退の意思を伝えられていたという。
だからこそ、亀井に1打席でも多くバットを振らせ、現役生活最後の花道を飾らせてやろうとしたのではないか。

1988年から巨人の取材を続けている私から見て、21世紀以降、亀井ほどファンの心に刺さる生え抜きの選手はいなかった。
同時にまた、これほど原監督に愛情を注がれた打者もいなかった。

ただし、原監督による〝亀ちゃん愛〟の表現は実に独特だった。
いまでも覚えているのは2012年5月2日の広島戦、左前打を処理した亀井が本塁送球をそらし、二塁走者の生還を許すと、原監督が試合後の会見で激怒したのだ。

「亀井は今夜、一晩中寝ないで反省してもらいたい!」

この続きは今朝アップされた東スポWeb、Yahoo!ニュースで御一読ください。
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スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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