きょうからハマスタで行われるDeNA-ヤクルト3連戦、見どころのひとつは両チームの1番打者がどんな打撃をして見せるか、だった。
ヤクルトの塩見泰隆が18日の巨人戦で史上72人目のサイクル安打を達成したばかりなら、DeNAの桑原将志も打率でリーグトップを争い、2試合連続先頭打者本塁打と絶好調。
初回、まずは塩見がDeNAの先発・坂本の初球をショートへの内野安打にしてチャンスメーク。
ヤクルト打線はここから無死満塁とチャンスを広げ、4番・村上の今季36号、通算101号となるグランドスラムが飛び出し、試合の主導権を握った。
塩見のDeNA戦の対戦打率は3割8分以上に達しており、三浦監督もかねてから「今年になって広角に打てるようになってきた」と警戒感を口にしていた。
1年目の2018年は練習でもなかなか鋭い打球が飛ばず、コーチ陣も「足と守備力は使えるが、打撃は時間がかかるだろう」とこぼしていたが、3年目にして一皮剥けた感がある。
ただし、塩見の担当だった斉藤スカウトは1年目から「塩見は打撃がいいから取ったんです!」とポテンシャルの高さを強調していた。
彼の成長の裏側には様々な要因があるのだろうが、僕は新人のころに石井打撃コーチ(現巨人)の薫陶を受けたことも大きかったのではないかと思っている。
一方、DeNAの桑原には初回の第1打席、史上2人目となる3試合連続先頭打者本塁打という珍しい記録がかかっていたが、残念ながらヤクルトの先発スアレスに遊ゴロに抑えられた。
ちなみに、現在も史上唯一となる3試合連続先頭打者本塁打を記録したのは、1993年の阪神・松永浩美。
当時、「史上最強のスイッチヒッター」と謳われた選手で、先頭打者本塁打を打ったのは偶然にもすべて今夜と同じヤクルト戦。
右の伊藤昭光からは左、左の石井一久からは右、そして右の荒木大輔からはまた左でホームランを放っている。
その記録に並ぶことこそできなかったが、桑原は三回の第2打席、ライト前ヒットで出塁してチャンスメーク。
ここからDeNA打線も無死満塁のチャンスを作り、オースティンのレフトへのタイムリー二塁打で2点を返した。
宜野湾キャンプの頃に聞いた話だが、三浦監督はセンターには桑原か神里か、足があって守備範囲の広い選手を固定したい、という構想を語っていた。
レフトの佐野は守備に難があり、ライトのオースティンは積極的でもケガをすることが多いため、自分が投手だった経験からも、センターラインには守備力の高い選手を据えたかったようだ。
桑原は今年10年目で、18年までは堂々たる主力選手でありながら、昨季は僅か34試合出場にとどまっており、何としてもレギュラーを奪い返したいという意識は強かったはず。
そうした控え選手の立場からふたたび這い上がり、チームメートのオースティンと首位打者を争うまでに復活した姿はもっと評価されてもいい。
なお、試合は5-2でヤクルトが勝った。
明日はもっと白熱した接戦が見たいね。