きのうで無期限出序停止処分が解除された巨人・中田翔、さっそくきょうからスタメン出場、とはならなかった。
同じファーストを守る右打者・中島がきのう2安打しており、状態がいいことから、原監督も急いで中田を使うこともない、と判断したのかもしれない。
また、今回の電撃無償トレードが、巨人ファンや球界関係者に必ずしも好意的に受け止められていないことも一因だと思う。
中田は暴力事件を起こして以降、被害者選手やチームメートに直接謝罪しておらず、日本ハムの選手として日本ハムファンに対する謝罪会見もしていない。
きのう、巨人移籍が決定した直後に頭を下げ、謝罪と反省の弁を述べたとはいえ、これはあくまでも移籍会見での発言であって、正式な謝罪会見とは異なる。
その上、他球団に移籍したから日本ハムとしてはお咎め無しとすると言わんばかりに、日本ハムが無期限出場停止処分を解除。
巨人・原、日本ハム・栗山両監督は持ち前のコメント力で中田の救済措置であるとアピールしていたが、あまりにも性急かつ無理筋に事を運ぼうとし感は否めない。
そうした一連の流れを、まるで美談のように報じた一部スポーツ新聞の報道に違和感を感じたファンも少なくなかったようだ。
いや、それは筋が違う、こういうときこそコミッショナーが待ったをかけ、世間が納得するまで中田に償いとみそぎを完遂させるべきではないのか。
そういう疑問と批判のメールやメッセージが、知り合いのマスコミ関係者から僕のSNSアカウントに寄せられた。
球界OBの間でも、中田の態度、巨人・原、日本ハム・栗山監督に一定の理解を示しながらも、きっちり「けじめが必要」と指摘している方は多い。
これについては、谷澤健一さんのYouTube〈谷澤健一公式チャンネル〉の発言が最もわかりやすくまとめられているように思う。
それでも、きょうは中田を見たがっていたお客さんが多く、中田が代打で登場した場面では、スタンドから一際大きな歓声が上がった。
巨人が1-1の同点に追いついた七回1死一・二塁、7番・大城に代わって打席に立ち、結果はDeNA・砂田からストレートの四球。
中田はそのまま7番・ファーストに入り、2-7と大差がついて回ってきた九回の第2打席は伊勢からセンターフライ。
なお、打席に入る際のテーマ曲は、日本ハム時代のビーグルクルー『My HERO』のまま、変えていなかった。