劇場公開当時から観たいと思っていながら、20年近くたつうちにすっかり忘れてしまい、NHK〈BSプレミアムシネマ〉で放送されたので飛びつくようにして鑑賞した1本。
映画が始まる前、「一部配慮すべき表現や用語」が含まれているが、「作品のオリジナリティー」を尊重して、そのまま放送する、というテロップが出る。
2002年公開の映画でもそんな言葉が使われているのかと思ったら、登場人物のひとり、中国人高校生・孔文革(サム・リー)が「チャイナ」と渾名されていて、これを日本人高校生がバカにして使っているようなニュアンスを指しているらしい。
また、主人公・星野裕/ペコ(窪塚洋介)や佐久間学/アクマ(大塚孝二)ら高校生が当たり前のように喫煙している場面も、今時なら批判の対象になるのかな。
しかし、こういういかにも一昔前の不良っぽい描写が、昭和時代にちょっとだけワルぶった時期のあるA先生のような六十前のジーサンには結構うれしい。
ペコを一人前の卓球選手にしようと、スポ根漫画によくある神社の石段上りをくわえタバコで命じる〈卓球タムラ〉のオババ(夏木マリ)のキャラクターも傑作。
原作は1996〜1997年、週刊ビッグコミックスピリッツに連載されていた松本大洋の同題スポ根漫画。
この映画版は脚本を宮藤官九郎が書いているからか、キャラクター設定をはじめ、話術、セリフ、構成などになかなか凝ったところがあり、ニヤニヤしながら観ているうちにしっかりスポ根の世界へ収斂させていく手際が素晴らしい。
ペコ役の窪塚、オババの夏木をはじめ、いつもクールな月本誠/スマイル役のARATA、髪も眉もないライバル風間竜一/ドラゴン役の中村獅童など、若き日の新進気鋭の俳優たちもみんな好演。
ただ、卓球部の先生・小泉丈の竹中直人だけはちょっとスベってたかも。
オススメ度B。
ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2021リスト
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑
※再見、及び旧サイトからの再録
69『犬神家の一族』(2006年/東宝)B
68『華麗なる一族』(2021年/WOWOW)B
67『日の名残り』(1993年/英、米)A※
66『メメント』(2000年/米)B
65『プレステージ』(2006年/米)B
64『シン・ゴジラ』(2016年/米)A※
63『キングコング:髑髏島の巨神』(2017年/米)B※
62『GODZILLA ゴジラ』(2014年/米)B※
61『見知らぬ乗客』(1951年/米)B
60『断崖』(1941年/米)B
59『間違えられた男』(1956年/米)B
58『下女』(1960年/韓)C
57『事故物件 恐い間取り』(2020年/松竹)C
56『マーウェン』(2019年/米)C
55『かもめ』(2018年/米)B
54『トッツィー』(1982年/米)A※
53『ジュディ 虹の彼方に』(2019年/米)B
52『ザ・ウォーク』(2015年/米)A※
51『マン・オン・ワイヤー』(2008年/米)B※
50『フリーソロ』(2018年/米)A
49『名も無き世界のエンドロール』(2021年/エイベックス・ピクチャーズ)B
48『ばるぼら』(2020年/日、独、英)C
47『武士道無残』(1960年/松竹)※
46『白い巨塔』(1966年/大映)A
45『バンクーバーの朝日』(2014年/東宝)A※
44『ホームランが聞こえた夏』(2011年/韓)B※
43『だれもが愛しいチャンピオン』(2019年/西)B
42『ライド・ライク・ア・ガール』(2019年/豪)B
41『シービスケット』(2003年/米)A※
40『6才のボクが、大人になるまで。』(2014年/米)A※
39『さらば冬のかもめ』(1973年/米)A※
38『30年後の同窓会』(2017年/米)A
37『ランボー ラスト・ブラッド』(2019年/米)C
36『ランボー 最後の戦場』(2008年/米)B
35『バケモノの子』(2015年/東宝)B
34『記憶屋 あなたを忘れない』(2020年/松竹)C
33『水曜日が消えた』(2020年/日活)C
32『永遠の門 ゴッホが見た未来』(2018年/米、英、仏)B
31『ブラック・クランズマン』(2018年/米)A
30『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』(2019年/米)A
29『徳川いれずみ師 責め地獄』(1969年/東映)C
28『残酷・異常・虐待物語 元禄女系図』(1969年/東映)B
27『徳川女系図』(1968年/東映)C
26『狂った野獣』(1976年/東映)A
25『一度死んでみた』(2020年/松竹)B
24『ひとよ』(2019年/日活)C
23『パーフェクト・ワールド』(1993年/米)B
22『泣かないで』(1981年/米)C
21『追憶』(1973年/米)B
20『エベレスト 3D』(2015年/米、英、氷)B※
19『運命を分けたザイル』(2003年/英)A※
18『残された者 北の極地』(2018年/氷)C
17『トンネル 9000メートルの闘い』(2019年/諾)C
16『ザ・ワーズ 盗まれた人生』(2012年/米)A※
15『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』(2019年/仏、比)A
14『ハウス・オブ・カード 野望の階段 シーズン6』(2018年/米)C
13『大時計』(1948年/米)B
12『汚名』(1946年/米)B
11『マザーレス・ブルックリン』(2019年/米)B
10『エジソンズ・ゲーム』(2017年/米)C
9『ジョン・ウィック:パラベラム』(2019年/米)C
8『ジョン・ウィック:チャプター2』(2017年/米)B
7『ジョン・ウィック』(2014年/米)C
6『容疑者、ホアキン・フェニックス』(2010年/米)C
5『宇宙戦争』(2005年/米)B
4『宇宙戦争』(1953年/米)B
3『宇宙戦争』(2019年/英)B
2『AI崩壊』(2020年/ワーナー・ブラザース)B
1『男はつらいよ お帰り 寅さん』(2019年/松竹)C