久しぶりに、野球でもそれ以外のスポーツでもない、ある職人の人物ノンフィクションを書いてみた。
眼鏡のプラスチックフレームを作らせたら、質量ともに日本一、右に出る者がないと言われる渡邉修一さんである。
日本の眼鏡フレームは現在、自治体をあげて注力していることもあり、メーカーも工場も福井県鯖江市に集中している。
しかし、昭和の高度経済成長時代には、映画『男はつらいよ』で有名な葛飾柴又あたりを中心に、東京の職人が作る眼鏡市場も隆盛を誇っていた。
そうした東京眼鏡市場の中心的存在だった敷島眼鏡に10代で就職、若くして製造部長となり、いま70歳にしてなおフレームを作り続けている渡邉さんは、東京職人の最後の生き残りと言っていい。
人の顔に合う眼鏡とはどのようなものか、フレームをデザインするにはどんな修行が必要か、豊富な知識と経験から語られる逸話と哲学は大変面白かった。
「職人というのは、物を作る勉強だけしていればいいわけではないんです。
僕はフレームになる素材のメーカーで工程を見学したり、店頭で自分の眼鏡をお客さんに勧めるにはどのような言葉を使えばいいのか考えたり、いろんなことを学ばせてもらいました。
そういうことが、フレームを作るときに生かされる。
だから、職人であっても、職人じゃないんですね、実は」
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