この2〜3年、まったく起動しなくなったソニー製VAIOのデスクトップ、PCV-LX80/BPK(本体)を処分することにした。
5年ほど前までは時間がかかりながらも何とか立ち上がってくれ、そのたびに長文の原稿を打っていたのだが、ついにウンともスンとも言わなくなり、物持ちのいい僕もやっと使用を断念、というより諦めざるを得ず。
このデスクトップのOSはWindows2000で、発売された翌年の2001年に購入。
ちょうど、当時勤めていた日刊現代以外の媒体で原稿を発表し始めたころで、家で長いものを書くにはディスプレイの大きなパソコンが必要だと感じ、初めて買ったデスクトップがこのVAIOのPCV-LX80/BPKだった。
購入して間も無く、このマシンで週刊現代に発表した中篇『2001年長嶋巨人の敗戦』『生きていく原辰徳』『犠打 長嶋茂雄に嫌われた男』などを執筆。
その後、講談社の単行本『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(2002年)から『失われた甲子園 記憶をなくしたエースと1989年の球児たち』(2016年)までの7冊、PHP研究所の『2番打者論』(2012年)や『プロ野球コンバート論』(2013年)など、すべてこのVAIOで書いている。
エディタも日刊現代時代以来、一貫してWZEditorを使用していた。
が、自分自身の年齢のせいもあってか、バージョンアップするにつれて使い勝手が悪いと感じるようになり、ノートパソコンの東芝製Dynabookとの併用が増えるようになって、VAIOも急速に老け込んでいった(つまり立ち上がりが悪くなった)ような気がする。
そこで大手メーカーの廃棄・リサイクル専門の一般社団法人・パソコン3R推進協会に電話して問い合わせたところ、処分するには本体とディスプレイで各3300円、計6600円の料金が必要で、いまから依頼したら引き取ってもらえるのに大体3週間かかるという。
はあ、そうですか、と言っていたら、電話口の女性が「最近は家電量販店でも引き取りをしている店舗があって、私どもより料金が安いところもあるようですよ」。
そう言われて「パソコン 廃棄 回収」で検索したら、無料で回収してくれるところがドッと出てきた。
そのリストのトップにあったのが、そのものズバリの「パソコン廃棄.com」というサイトで、早速電話したら、持ち込みならその場で引き取る、事前の予約も身分証も必要ないという。
すぐさまVAIOの本体とディスプレイをキャリーバッグに入れ、地下鉄30分、バス10分の足立区保木間にあるサイトの運営会社に直行。
ここで、20年近くに渡って拙著、拙文を打ち続けてくれた〝相棒〟を見送った。
こいつは本当によく働いてくれた。
その後に買って併用していたVAIO、Windows Vistaのデスクトップ、Windows7のノートより長持ちしたのだから、大変なタフネスぶりだった。
その後、執筆用のメイン・マシンをNECのノートパソコンLAVIEに変えてから、今年で3年目になる。
これで書いた本はまだ、達川光男さんの著書『広島力』(2019年/講談社)1冊だけだから、もっと頑張らなきゃな。