緊急事態宣言初日にパンク🚲😢

愛車アレックス・モールトンAM16の前輪がパンク

ふだんはもっぱらロードバイクやマウンテンバイクに乗っているが、一年に一度くらい、小径車アレックス・モールトンAM16で出かける。
大きなリヤバッグを付けているので、手に余る買物、ザックに背負いきれない物の運搬をするときなどは、この自転車が一番便利なのですよ。

緊急事態宣言初日のきょうも、前々から決めていた買物をする目的で、このモールトンで外出。
こいつに乗るのはいつ以来だろうと、過去のBlogを検索してみたら昨年5月7日で、やはり緊急事態宣言の最中だった。

ところが、最初の目的地、本駒込のガーデニングショップへ向かっている途中で前輪がパンク!
これには参りました。

ロードバイクやマウンテンバイクなら、サイクルスポットあたりでもチューブが交換できるけれど、モールトンとなると、そう簡単にはいかない。
最近は街中でもミニベロをよく見かけるようになったとはいえ、プロンプトンやブリジストン・モールトンなど、小径車のホイールはほとんどすべて20インチ。

しかし、アレックス・モールトン博士が1963年に開発、モールトン城と呼ばれる城で生産したこの元祖小径車は、ホイールが一回り小さい17インチなのだ。
僕の愛車AM 16は1983〜2002年頃に人気を博したAMシリーズの最終モデルで、2001年に発表されており、最後の「キャッスルモデル」「お城モールトン」などと呼ばれている(僕が発注したのは2003年)。

それ以降、アレックス・モールトンもすべて20インチに変更されたため、いまやミニベロの専門店でも17インチのタイヤやチューブは常備していない。
そういう容易に交換できない超レア物がパンクしてしまったのですよ。

実際、藁をもすがる思いでパンクした近くのイレブンサイクル巣鴨店で問い合わせたら、やはり17インチのタイヤもチューブもなく、「取り寄せられるかどうかもわかりません」と若い店員。
仕方なく、この近辺では唯一、在庫のありそうなワイズロード池袋本館へモールトンを押して行くしかなくなった。

が、実はこれが不幸中の幸い。
このモールトン、もともとはワイズロードの上野クラシック(現上野本館)で組み、その担当者がギャラクシー(現池袋本館)へ異動となったため、長らく池袋でメンテナンスをしていたのである。

つまり、昔しょっちゅう通っていた店に、10数年ぶりに修理をお願いすることになったというわけ。
もちろん、僕とトシの近かった担当者はもういなかったものの、店員にかくかくしかじかと相談すると、在庫が1本だけ残っていた17インチチューブ(1100円)を持ってきてくれた。

しかし、迂闊にもこの店員に指摘されて初めて気がついたのだが、チューブ以上にタイヤの劣化が激しい。
側面のゴムが剥がれ、内部の網が露出している状態で、「チューブだけ入れ替えても、エアをパンパンに入れたら、帰っている最中にまたパンクしちゃう可能性が高いでしょうね」とのこと。

タイヤはチューブ以上に国内在庫が不足しており、店員がネットで問屋の情報を検索したところ、一番早く取り寄せられるのはコジャックのタイヤ(1本5400円)だという。
できれば現在と同じコンティネンタルのタイヤがほしかったが、確保できるのは早くとも5月以降で、それも確実とは言えないと説明された。

こういう状況だと、できるだけ早く入手できるタイヤを選択するしかない。
前輪と同じ時期に付け替えた後輪のタイヤも経年劣化が進んでいるはずなので、この際だからと後輪用のタイヤとチューブも注文することにした。

池袋本館から自宅までの帰途ももちろん「押し」で、往復10.516㎞のうち、復路の5.258㎞は徒歩だったから、まあまあの運動にはなったかな。
自転車の世界にも、自動車のクラシックカーに相当するカテゴリーがあり、ちょっとした不具合でもエライ目に遭う、という一席でした。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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