大相撲3月場所、21日の中日に続いて、きょう12日目も観戦に行ってきました。
両国国技館を訪ねるようになったのは、貴乃花、曙が横綱だった1990年代からだけど、一場所に二度も足を運んだのは今回が初めて。
若貴時代はお茶屋のチケットに大変なプレミアが付き、正規価格1人1万500円のマス席が3〜5万円で取引されるのは当たり前。
優勝争いが注目された場所の千秋楽ともなると、10万円以上に高騰した、という噂も飛び交ったほど。
それがいまでは、入場者数の上限を1万1098人(満員札止の場合)から5000人まで下げても、初日と千秋楽以外はチケットが完売しない。
きょうのような平日では、マス席ですら閑散、タマリ席にも空席がある。
きょうは升席ではなく、正面と東側の間の2階席2列目で観戦。
ちなみに、1列目はコロナ禍のために臨時の報道専用席となっていて、新聞社のスチールカメラマンがここから撮影していた。
2階席のシートには1席置きに着席禁止の貼り紙が貼ってあり、よく見ると理事長、力士、女将さんなど、様々なバージョンがある。
このあたりには相撲協会のユーモアのセンスを感じましたね。
きょう最初の注目の力士は、広島出身の西幕下49枚目・北勝就(ほくとしゅう・27歳=八角部屋)。
朝鬼神を寄り倒して5勝目を挙げており、来場所につなげてほしいところです。
幕下東14枚目・湘南乃海は192㎝、143㎏と申し分のない体格の持ち主、まだ22歳という若さで、誰もが認める高田川部屋のホープ。
今場所は気合の入った相撲で初日に白星を挙げていたから期待してたんですが…以下略。
西幕下9枚目・宝香鵬(31歳=宮城野部屋)は12年前、個人的に大変お世話になったお相撲さんです。
当時、雑誌アエラの仕事で横綱・白鵬を取材したとき、付け人を勤めていたのが、当時まだ二十歳そこそこだった宝香鵬(当時は宝香山)。
きょうの白星で星は3勝3敗の五分。
何とか勝ち越して、1年でも1カ月でも、できるだけ長く相撲を続けてほしい。
十両最後の注目の取組が、白鷹山が勝ち越しを決めたこの一番。
糖尿病で足踏みした時期も長かった高田川部屋の筆頭出世株、今場所の勢いで今度こそ幕内まで駆け上がってほしい。
幕内の後半戦もなかなか力の入ったいい相撲が多かった。
単独トップを守った高安は、中日もこの日も、花道を退場する際に温かい拍手を浴び、ファンに後押しされている雰囲気が肌で感じられる。
弓取式まで終わったら、〝コロナ期間限定〟のお楽しみ抽選会。
お客さんに規制退場に協力してもらうため、四方の客席のファンに5人ずつ賞品をプレゼントするという企画です。
賞品は1年間有効のグッズ専用クーポン券、人気力士のサイン色紙などで、帰りに引退して間もない親方に手渡ししてもらえる。
残念ながら、A先生は当たりませんでしたが。
このコロナ禍の中、大相撲はプロ野球に負けず、力士も協会もスタッフも懸命の努力を続けている。
人気絶頂の若貴時代もよかったけれど、いまこそ大相撲の本当の底力が見られる時かもしれません。