両国国技館へ大相撲3月場所を見に行ってきました。
升席で観戦するのは、一昨年引退した臥牙丸が幕内にいたころ以来だから、ほぼ4〜5年ぶり。
3月場所が大阪ではなく、東京で行われるのは史上初のこと。
原因は言うまでもなくコロナ禍のためで、開場時間も序ノ口の取組が始まる朝9時30分から三段目の取組が行われている午後1時に変更された。
それならばと、お誘いした同伴者を説得して午後1時に入場。
今場所、新たに幕下に昇格した注目株の相撲からじっくりと観戦したんですが…。
僕が期待していた力士が次から次に負け続けて、どうにも気勢が上がらない。
コロナ前だったら早速ビールをグイッとやるところですが、感染症対策のため、飲酒も食事も禁止されている。
しかし、お客さんが少ないながらに、十両の土俵入りになると、さすがに館内の雰囲気がそれなりに華やかになる。
ちなみに、照明はこの土俵入りのときではなく、直前の幕下の取組の際に明るさが増すことに、今回初めて気がつきました。
さらに、初顔合わせとなった宇良と炎鵬の相撲に、館内はこの日一番と言っていいほど盛り上がった。
様々な展開が予想された小兵対決ながら、両者とも奇襲に走らず正面からぶつかり合い、宇良が押し倒した決着の瞬間まで観衆の目を釘付けにしてくれました。
一時は高田川部屋の出世頭だったのに、三役から陥落して久しい竜電、久しぶりに力強い取口で寄り切って見せた。
常日頃、師匠に口酸っぱく言われているという「頭を低くつける」相撲ができていたように思います。
輝−遠藤戦も、ここまでは遠藤の7勝6敗のほぼ五分という注目の好取組。
勝負審判を務めた師匠・高田川親方の言う「圧力」をかけていければ、と思ったんだけれど、結果は遠藤に一方的に押し出されてしまった。
1敗対決の高安−照ノ富士戦は今場所の優勝の行方を左右する大一番!
非常に力の入った相撲内容が素晴らしく、勝った高安には花道を引き上げる最後の瞬間まで盛大な拍手が送られていました。
結びの一番では、初日からの3連敗を含む4敗の大栄翔が、2敗で優勝争いに踏みとどまりたい朝乃山と対戦。
気迫を前面に出し、喉輪を突き上げ、一方的に押し出した。
為す術なく吹っ飛ばされた朝乃山は、土俵下に腰から落ちて仰向けにされている。
今場所は後半にもう一度、観戦に行く予定なので、大関の意地を見せてほしいところです。
観戦するのに様々な制限が加えられている中でも、力士たちは精一杯相撲を取り、観客は許される範囲内で懸命に応援している。
こういうコロナ禍の時代だからこそ、熱戦が繰り広げられる土俵は日本人に元気を与えてくれる、という思いを強くしました。