週明けからスタートする沖縄でのオープン戦、今年はキャンプに引き続き無観客にせざるを得ず、練習試合として行われることになった。
そのため、チームの勝敗も選手の個人成績もNPBの公式記録には残らない。
ところが、その練習試合をしっかり生観戦しているファンがいたのですよ、宜野湾で行われた20日のDeNA−ロッテ戦に。
ポカポカ陽気だったこの日、ネット裏で試合を観ている最中、不覚にもウトウトしかけたとき、こんな絶叫が耳に飛び込んできた。
「柴田ーーーーーっ!
柴田柴田柴田柴田ーーーーーーっ!!!」
おいおい、どこにファンが紛れ込んでるんだ?
と思ったら、近くの席にいた同業者の知り合いがレフトスタンドの向こう側に建っているホテルを指差して、「あそこ、あそこ」。
なるほどねえ、こういうキャンプ見物の方法もあったか。
でも、このためだけに沖縄に来ているとすると、相当熱心なベイスターズファンの人たちなんだろうな。
そう言えば、今年はコロナ禍でキャンプが無観客となり、インバウンドも激減したため、ホテルの宿泊料金も随分安くなりました。
僕は毎年、朝食付きのプランを予約するんですが、去年までは週末で17000円もかかったホテルが5100円で泊まれちゃうんだから。
今年は無観客でキャンプ地の出店やフードトラックがなくなったため、どの球団でも報道陣は昼食を取るのに苦労していた。
あるキャンプ地では、60歳のマスコミ関係者が警備員の若者に、「ここから一番近いコンビニは?」と尋ねたところ、「歩いて10分ほどのところにありますよ」と言われ、教えられたコンビニに向かったら往復30分以上かかった、という笑えない実話もあるほど。
こういう状況だから、今年の沖縄では、例年以上にホテルでガッツリ朝食を取ってキャンプ地に向かった。
昼食をゆっくり取れる時間はないと想定していたので、ランチは大体、朝か前夜にコンビニで買っておいた菓子パン、豆乳、野菜ジュースなど。
夜は夜で、昔馴染みの店は休業中か、営業していても夜8時まで、酒類の提供は1時間前の7時まで。
しかも、デリバリーに熱心な居酒屋も少ないから、仕事が遅くなると、スーパーマーケットで惣菜でも買って部屋飲みするしかない。
ちなみに、名護ではスーパーで惣菜が買えればまだいいほう。
仕事が遅くなったため、惣菜が売り切れてしまい、コンビニの弁当やつまみを晩メシにしている報道関係者も大勢いました。
キャンプ取材の最終日。
宜野湾からの帰りに車に乗せてもらったフリーアナウンサーのMさん曰く、
「今年のキャンプ、やっぱり寂しいよなー。
年に一度、久しぶりに会う球界関係者と、馴染みの店で盛り上がって、言いたいこと言って、ハメも外して、さあ、今年もみんなで頑張ろうよって、そういう雰囲気こそキャンプなのにねー」