『マトリックス』シリーズ(1999〜2003年)以降、キアヌ・リーブスが久しぶりに当たり役をつかんだと評判のシリーズ第1作。
ひとりの主人公が爆薬や毒ガスを使わず、素手と銃だけで人を殺した数は、ひょっとしたら本作が映画史上ナンバーワンかもしれない。
リーブス演じる主人公、タイトルロールのジョン・ウィックはかつてロシアン・マフィアに雇われていた超凄腕の殺し屋。
愛妻ヘレン(ブリジッド・モイナハン)との結婚を機に裏稼業から足を洗っていたが、ヘレンが病死した直後、彼女が贈ってくれた愛犬を殺され、壮絶な復讐を始める。
愛犬を殺したロシア人ヨセフ・タラソフ(アルフィー・アレン)は、かつてウィックを雇っていたマフィアのボス・ヴィゴ(ミカエル・ニクヴィスト)のドラ息子。
ウィックの実力を知るヴィゴはヨセフを守るため、組織の殺し屋たちをかき集めるよう部下の弁護士アヴィ(ディーン・ウィンタース)に命じる。
「何人必要ですか?」と聞くアヴィに、ヴィゴは「ひとり残らずだ!」と返答。
並の殺し屋が束になってかかってもかなわない、というウィックの恐ろしさを匂わせるこのやり取りは、『ランボー』(1982年)でトラウトマン大佐(リチャード・クレンナ)がティーズル保安官(ブライアン・デネヒー)に、ランボー(シルヴェスター・スタローン)は警官隊を皆殺しにしかねないぞ、と忠告する場面を彷彿とさせる。
終始表情を変えないウィックのキャラクターもランボーにそっくり。
ただし、バンダナにタンクトップのスタローンとは違い、リーブスはあくまでもスタイリッシュに、スーツ姿で次々に追っ手を殺していく。
監督のチャド・スタエルスキはスタントマン出身で、『マトリックス』シリーズでアクションシーンの演出と擬闘を務めていた人物。
専門家だけあって、カンフー、マーシャルアーツと拳銃やマシンガンをミックスさせたリーブスの格闘場面は実によくできている。
もっとも、ウィックがヨセフへの復讐を果たす場面は意外に淡白で、その後いったんヴィゴに捕まって窮地に陥る下りなどは、いかにも定石通りで一向にサスペンスが盛り上がらない。
一応、次回作も観てみるけどね。
オススメ度C。
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A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだ ったら😑
※再見、及び旧サイトからの再録
6『容疑者、ホアキン・フェニックス』(2010年/米)C
5『宇宙戦争』(2005年/米)B
4『宇宙戦争』(1953年/米)B
3『宇宙戦争』(2019年/英)B
2『AI崩壊』(2020年/ワーナー・ブラザース)B
1『男はつらいよ お帰り 寅さん』(2019年/松竹)C