『容疑者、ホアキン・フェニックス』(WOWOW)🤨

I’m Still Here 106分 2010年 アメリカ:マグノリア・ピクチャーズ
日本公開:2012年

ホアキン・フェニックスが突然、俳優を引退してヒップホップ・ミュージシャンになると宣言し、様々なトラブルを巻き起こす姿を描いたフェイク・ドキュメンタリー。
以前から一度観てみたいと思っていて、WOWOWで放送されたらすぐ録画してチェックしたのだが、想像していたほどには面白くなかった。

演技力にかけては当代随一のオスカー男優だけに、俳優引退とラッパー転向をいかにもガチっぽく見せてはいる。
カメラの前で「おれはもうみんなの望むホアキンを演じることにウンザリしたんだ」と毒づき、レオナルド・ディカプリオやトム・クルーズなど、同時代のスターに対する悪口を連発。

個人的に親しく、本作にもカメオ出演しているジャック・ニコルソンやブルース・ウィリスについて語るときにも、彼らの名前に4文字言葉をくっつけないではいられない。
ブクブクに太った身体を恥ずかしげもなく晒し、マリファナを手放すことができず、コカインを吸引して大声で喚き散らすあたりは、本当にドキュメンタリーだったら病院か警察へ連れて行かれるレベルだろう。

一番面白かったのは、フェニックスがヒゲモジャのサングラス、ネクタイをユルユルにしたスーツ姿で、ガムをクチャクチャかみながらデヴィッド・レターマンのインタビュー番組に登場する場面。
一応、フェイクと断らずに出演しているためか、レターマンとの掛け合いが実に面白く、公開当時はハリウッドでフェニックスの真似をするコメディアンが続出しており、その画像も紹介されている。

しかし、オチがわかっていても楽しめるレベルには達していない。
こういう映画をいけしゃあしゃあと作れるフェニックスの才能と図太さは大したものではあるが。

オススメ度C。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2021リスト
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだ ったら😑
※再見、及び旧サイトからの再録

5『宇宙戦争』(2005年/米)B
4『宇宙戦争』(1953年/米)B
3『宇宙戦争』(2019年/英)B
2『AI崩壊』(2020年/ワーナー・ブラザース)B
1『男はつらいよ お帰り 寅さん』(2019年/松竹)C

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
先頭に戻る