『ウルフ』(WOWOW)😉

Wolf 
125分 1994年 アメリカ:コロンビア・ピクチャーズ 日本配給:COLTLI

往年のアメリカン・ニューシネマのスター、ジャック・ニコルソンが狼男を演じ、自分が噛みついて狼男にしたジェームズ・スペイダーと対決する。
というお話を、やはりニューシネマの代表的名匠として知られたマイク・ニコルズが監督した古式床しいホラー映画。

ニコルソン扮する出版社の編集局長ウィル・ランダルはニュー・イングランドの雪山をドライブしている最中、跳ねた狼に手を噛まれてしまう。
翌朝出勤した会社は大富豪レイモンド・アルデン(クリストファー・プラマー)に買収されたばかりで、彼の屋敷のパーティーに招かれたランダルは、そこで左遷の通告を受ける。

しかし、それまでくたびれた中年編集者だったランダルは、ここからエネルギッシュに逆襲を開始。
後釜を狙っていた部下スチュアート・スウィントン(スペイダー)を張り倒し、彼と浮気していた自分の女房シャーロット(ケイト・ネリガン)に三行半を突きつけ、自分の息がかかった売れっ子作家を新会社に引き抜いてやるとアルデンを脅して編集局長の座を守り、昇給まで勝ち取る。

すべては狼に噛まれて感染した〝ウイルス〟のおかげで、ランダルは次第に夜な夜な外出しては人や動物に噛みついて〝狼男化〟していく。
特殊メイクは『狼男アメリカン』(1981年)で〝狼男メイク〟の頂点を極めたリック・ベイカーだが、本作ではニコルソンもスペイダーもあそこまで狼そのものには変身しない。

ベイカーが先祖返りしようと思ったのか、ニコルソンが狼そのものになるのを嫌ったのか、このジャンルの元祖『狼男』(1941年)のロン・チャニー・ジュニアを彷彿とさせる顔に仕上げている。
ただ、あの毛むくじゃらの顔に大きな牙の化け物、というイメージは、狼男よりも雪男みたいな類人猿系の怪物に見えなくもない。

この種の古典的ホラー映画にはお色気美人女優が必要不可欠で、ファイファーはそこそこ健闘しているが、ネリガンが意外にも魅力に乏しい。
ジョン・バダム監督、フランク・ランジェラ主演の『ドラキュラ』(1979年)ではきれいな貴婦人役がピタリとハマっていたのになぁ。

オススメ度B。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2020リスト
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら😏  D=ヒマだ ったら😑
※再見、及び旧サイトからの再録

128『パルプ・フィクション』(1994年/米)A
127『トゥルー・クライム』(1999年/米)C
126『ブラッド・ワーク』(2002年/米)B
125『ハウス・オブ・カード 野望の階段 シーズン4』(2016年/米)B
124『ザ・コミー・ルール 元FBI長官の告白』(2020年/米)B
123『ジェミニマン』(2019年/米)B
122『ガール・イン・ザ・ミラー』(2019年/加)B
121『ドッペルゲンガー』(2003年/アミューズピクチャーズ)B
120『屍人荘の殺人』(2019年/東宝)B
119『ドクター・スリープ』(2019年/米)B
118『ランス・アームストロング ツール・ド・フランス7冠の真実』(2013年/米)A※
117『疑惑のチャンピオン』(2015年/英、仏)B※
116『陽だまりのグラウンド』(2001年/米)B
115『ホテル・ムンバイ』(2019年/豪、印、米)A
114『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』(2018年/松竹)B
113『閉鎖病棟−それぞれの朝−』(2019年/東映)C
112『真実』(2019年/仏、日)A
111『氷の微笑』(1992年/米)B
110『チャーリーズ・エンジェル』(2019年/米)C
109『FBI:特別捜査班 シーズン1 #22対決の時』(2019年/米)C
108『FBI:特別捜査班 シーズン1 #21隠された顔』(2019年/米)B
107『FBI:特別捜査班 シーズン1 #20エジプトの要人』(2019年/米)B
106『轢き逃げ 最高の最悪な日々』(2019年/東宝)B
105『蜜蜂と遠雷』(2019年/東宝)B
104『ワン・カップ・オブ・コーヒー 栄光のマウンド』(1991年/米)A
103『ドリーム・ゲーム 夢を追う男』(1991年/米)B※
102『スラッガーズ・ワイフ』(1985年/米)B
101『死霊のはらわた』(2013年/米)C※
100『死霊のはらわた』(1981年/米)A※
99『脱出』(1972年/米)A※
98『ラスト・ムービースター』(2018年/米)B
97『ハウス・オブ・カード 野望の階段 シーズン3』(2015年/米)A
96『FBI:特別捜査官 シーズン1 #19白い悪魔』(2019年/米)B
95『FBI:特別捜査官 シーズン1 #18ラクロイ捜査官』(2019年/米)C
94『FBI:特別捜査班 シーズン1 #17秘密のデート』(2019年/米)C
93『世界の涯ての鼓動』(2017年/独、仏、西、米)C
92『殺人鬼を飼う女』(2019年/KADOKAWA)D
91『軍旗はためく下に』(1972年/東宝)A※
90『イングリッシュ・ペイシェント』(1996年/米)B
89『ラスト、コーション』(2007年/台、香、米)A
88『サンセット大通り』(1950年/米)A※
87『深夜の告白』(1944年/米)A
86『救命艇』(1944年/米)B※
85『第3逃亡者』(1937年/英)B※
84『サボタージュ』(1936年/英)B※
83『三十九夜』(1935年/英)A※
82『ファミリー・プロット』(1976年/米)A※
81『引き裂かれたカーテン』(1966年/米)C
80『大いなる勇者』(1972年/米)A※
79『さらば愛しきアウトロー』(2018年/米)A
78『インターステラー』(2014年/米)A
77『アド・アストラ』(2019年/米)B
76『FBI:特別捜査班 シーズン1 #16ラザロの誤算』(2019年/米)C
75『FBI:特別捜査班 シーズン1 #15ウォール街と爆弾』(2019年/米)C
74『FBI:特別捜査班 シーズン1 #14謎のランナー』(2019年/米)D
73『FBI:特別捜査班 シーズン1 #13失われた家族』(2019年/米)D
72『ハウス・オブ・カード 野望の階段 シーズン2』(2014年/米)A
71『記憶にございません!』(2019年/東宝)B
70『新聞記者』(2019年/スターサンズ、イオンエンターテイメント)B
69『復活の日』(1980年/東宝)B
68『100万ドルのホームランボール 捕った!盗られた!訴えた!』(2004年/米)B
67『ロケットマン』(2019年/米)B
66『ゴールデン・リバー』(2018年/米、仏、羅、西)B
65『FBI:特別捜査班 シーズン1 #12憎しみの炎』(2019年/米)B
64『FBI:特別捜査班 シーズン1 #11親愛なる友へ』(2019年/米)B
63『FBI:特別捜査班 シーズン1 #10武器商人の信条』(2018年/米)A
62『FBI:特別捜査班 シーズン1 #9死の極秘リスト』(2018年/米)B
61『病院坂の首縊りの家』(1979年/東宝)C
60『女王蜂』(1978年/東宝)C
59『メタモルフォーゼ 変身』(2019年/韓)C
58『シュラシック・ワールド 炎の王国』(2018年/米)C
57『ハウス・オブ・カード 野望の階段 シーズン1』(2013年/米)A
56『FBI:特別捜査班 シーズン1 #8主権を有する者』(2018年/米)C
55『FBI:特別捜査班 シーズン1 #7盗っ人の仁義』(2018年/米)B
54『FBI:特別捜査班 シーズン1 #6消えた子供』(2018年/米)B
53『FBI:特別捜査班 シーズン1 #5アローポイントの殺人』(2018年/米)A
52『アメリカン・プリズナー』(2017年/米)D
51『夜の訪問者』(1970年/伊、仏)D
50『運命は踊る』(2017年/以、独、仏、瑞)B
49『サスペクト−薄氷の狂気−』(2018年/加)C
48『ザ・ボート』(2018年/馬)B
47『アルキメデスの大戦』(2019年/東宝)B
46『Diner ダイナー』(2019年/ワーナー・ブラザース)C
45『ファントム・スレッド』(2017年/米)A
44『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019年/米)B
43『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019年/米)A
42『スパイダーマン:ホームカミング』(2017年/米)A
41『ビリーブ 未来への大逆転』(2018年/米)B
40『ワンダー 君は太陽』(2017年/米)A
39『下妻物語』(2004年/東宝)A
38『コンフィデンスマンJP ロマンス編』(2019年/東宝)C
37『FBI:特別捜査班 シーズン1 #2緑の鳥』(2018年/米)A
36『FBI:特別捜査班 シーズン1 #1ブロンクス爆破事件』(2018年/米)B
35『THE GUILTY ギルティ』(2018年/丁)A
34『ザ・ラウデスト・ボイス−アメリカを分断した男−』(2019年/米)A
33『X-MEN:アポカリプス』(2016年/米)B※
32『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014年/米)C※
31『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011年/米)B※
30『X-MEN:ダーク・フェニックス』(2019年/米)D
29『ヴァンパイア 最期の聖戦』(1999年/米)B
28『クリスタル殺人事件』(1980年/英)B
27『帰ってきたヒトラー』(2015年/独)A※
26『ヒトラー〜最期の12日間〜』(2004年/独、伊、墺)A
25『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(2015年/独)A
24『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』(1986年/米)B
23『大脱出2』(2018年/中、米)D
22『大脱出』(2013年/米)B
21『記者たち 衝撃と畏怖の真実』(2018年/米)B
20『ハンターキラー 潜航せよ』(2018年/米)C
19『グリーンブック』(2018年/米)A
18『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』(2017年/英、米)B
17『天才作家の妻 40年目の真実』(2018年/瑞、英、米)B
16『デッドラインU.S.A』(1954年/米)B
15『海にかかる霧』(2014年/韓)A※
14『スノーピアサー』(2013年/韓、米、仏)A※

13『前科者』(1939年/米)
12『化石の森』(1936年/米)B
11『炎の人ゴッホ』(1956年/米)B※
10『チャンピオン』(1951年/米)B※

9『白熱』(1949年/米)A
8『犯罪王リコ』(1930年/米)B
7『ユリシーズ 』(1954年/伊)C
6『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017年/泰)B
5『七つの会議』(2019年/東宝)A
4『キャプテン・マーベル』(2019年/米)B
3『奥さまは魔女』(2005年/米)C
2『フロントランナー』(2018年/米)B
1『運び屋』(2018年/米)A 

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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