今年のセ・リーグはCS(クライマックスシリーズ)を中止したことにより、この制度が導入される前年の2006年以来、14年ぶりに消化試合が復活した。
いや、「復活」というのはおかしいな、歓迎すべからざる事態なんだから、「再発」とでも言うべきか。
極端なことを言えば、優勝が確実な巨人以外の5チームはすでに、Aクラス維持や個人成績など以外、シーズンの目標を失っている。
それでも、選手たちはもちろん、目の前の試合に勝つために懸命にプレーするんですけどね。
こういう消化試合は昔から、得てしてつまらないことが原因でトラブルに発展し、荒れることが多い。
最近も、9月26日にヤクルト-阪神戦戦で阪神・矢野監督が審判と口論したり、今月3日のヤクルト-広島戦(いずれも神宮)では死球をめぐって乱闘騒ぎが起こったり。
きょう、東京ドームの巨人-DeNA戦でも、妙なアクシデントがあった。
三回裏、巨人の攻撃中に巨人・原監督がグラウンドに出てきて、レフトスタンドに光る物があり、打撃の妨げになっていると審判団に指摘。
審判がスタンドに近づき、警備員も協力して〝光源〟を探すこと数分間。
どうやら、ベイスターズファンのキャップに貼られていたメタリックカラーのステッカーが照明を反射していたらしいと判明した。
警備員もスタンドにやってくると、ファンもすぐさま自主的にステッカーを剥がして協力。
審判が「客席に反射物があった」と説明し、試合再開となりました。
ここで僕が思い出したのは1997年、悪質なファンがスタンドから相手チームの選手を狙ってレーザーポインターを照射していた事件。
ヤクルト・吉井が巨人戦で目を直撃されたのが最初で、その後、全国各地の球場で模倣犯が続出した。
今夜の巨人戦はそんなことにはならなかったが、巨人が6−1とリードした四回にきてまた荒れる。
DeNAの2番手・砂田が巨人・吉川尚の後頭部に投球をぶつけて危険球退場。
このあと、吉川尚も大事を取って退場し、増田大が代走に送られ、DeNAは急遽三上が登板。
そうしたら、自らの四球と暴投がらみでこの回3点を追加され、巨人が計9得点を挙げて早くも勝負あった。
…と思ったら、今季セ・リーグで一番と言われる巨人のリリーフ陣がこの日はメロメロ。
巨人が9-2と7点をリードして迎えた八回、大江がオースティンに、鍵谷がロペスにそれぞれ2ランを被弾、さらに高梨も中井にタイムリーを打たれ、計5失点であっという間に2点差に追い上げられてしまう。
巨人の9-7で迎えた九回、投手は守護神・デラロサが登板し、DeNAは1番・乙坂から宮﨑、オースティン、佐野と続く好打順。
この土壇場で宮﨑、佐野が四球2個を選んで2死一・二塁、打者・ロペスというチャンスをつくり、ひょっとしたらと思わせた。
が、そのロペスはセンターフライに倒れて、結局はここまで。
首位に肉迫していた前半戦のベイスターズなら、ここから一気に引っ繰り返したんだけどなー。
いや、それ以前に、コロナ前にこんな展開になったら、巨人、DeNA双方のファンともにたっぷりアルコールが入って、大変な絶叫合戦になっていたはず。
しかし、東京ドームは酒類が販売されておらず、入場者数の上限が19,000人に引き上げられている現在も、観衆はきのうが12,419人、きょうは12,742人。
この前、僕が取材に来た9月26日の中日戦が16,718人だったから、優勝マジックナンバーが減るにつれて、客足も遠のいていることになる。
もっとも、観客動員が期待されたほど伸びていないのは東京ドームに限らず、ハマスタや神宮など、どの球場も同じ。
ある球団関係者によると、「やはりコロナの感染者数が減っていないので、まだ球場での観戦は控えておこうと、躊躇しているファンの方が多いんじゃないでしょうか」とのことです。
きょう、東京の新規感染者数が248人も出たんじゃ、無理もないか。