ラミレス監督の〝やりくり采配〟、きょうの見どころ⚾️💦

今年の球場はどんなに暑くてもマスク着用が必須

長いシーズン、残暑の厳しさが感じられるこの時期になると、どのチームもベテランをしばらく休養させ、若手にチャンスを与えるケースが増える。
今年は開幕が3カ月遅れたぶん日程が過密になり、8月は例年以上の猛暑にも見舞われたからなおさらだ。

ハマスタではきょう、守備でミスの目立った田中広をベンチに下げ、西川をコンディション不良(球団発表)で登録抹消。
野間を1番センター、上本を8番ショートでスタメンに抜擢し、曽根を二軍から昇格させてベンチに入れた(西川との入れ替え)。

きょう試合前に配布されたメンバー表(左がスタメン、右がベンチ入りメンバー)

一方、DeNAはロペスを再調整のために登録抹消し、9番ファーストで中井をスタメンに入れた。
大和、柴田、倉本の9番に比べると、かなりの期待、という以上に冒険含みの起用のようにも思えたが、ラミレス監督によれば、十分なデータに基づいた起用だという。

中井は今年、右投手に対する打率が高く、とくにホーム球場では3割9分という好成績を残している。
そこで、「一、二回に点が取れなくても、三回に下位打線で走者が出れば、9番の中井で得点できると考えた」というわけ。

ところが、いざ試合が始まったら、その三回の初打席で中井は三球三振。
いかにも中井らしい、と思っていたら、0-2とリードされて迎えた五回、2死無走者から左前ヒットを打ち、続く梶谷の同点右越え2ランを呼び込んだ。

試合前のイメージとはいささか異なるシチュエーションではあったものの、ラミレス采配ズバリ! と言っていいでしょう。
これで先発の浜口が立ち直ってくれればよかったんだけど、六回は明らかに球が高めに浮き、堂林への四球と松山のタイムリーで勝ち越しの1点を献上し、結局この回までで5安打3失点、94球で降板。

ちなみに、浜口は今季、カープ戦に2度登板して勝ち星なし(試合は1敗1引き分け)。
今夜は〝3度目の正直〟がかかっていたわけで、浜口本人もストレートの精度を上げることを課題に、身体の使い方を工夫して調整に取り組んでいた。

しかし、ラミレス監督はかねてから、浜口の短所を「球数が増えるとストライクとボールがはっきりしてしまうこと」と指摘しており、それが長いイニングを任せるのにネックになっている。
四球がらみで勝ち越し点を献上した場面では、そういう課題が浮き彫りになったとも言えますね。

それでもラミレス監督は、試合後のインタビューで浜口について聞かれると、「きょうは全体的にはグッドジョブだった」と労いのコメント。
「明日は井納にいいピッチングをしてもらい、打線も援護して、このカードを勝ち越せるように頑張る」と締め括った。

なお、9回に鈴木誠のダメ押し本塁打が出て快勝したカープは、8回を2失点にまとめて3勝目をマークした先発・野村がヒーローインタビューに登場。
ちょうどこの日が53歳の誕生日だった佐々岡監督にウイニングボールを渡して、「勝ってお祝いができてよかったです」とホッとした表情を見せていました。

最後のおまけはまた中華街で食べた試合前ご飯。
きょうも大変美味しかったです。

景珍楼の豚角煮チャーハンセット(スープ、杏仁豆腐付き)1200円
スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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