シーズン1ではフランシス・アンダーウッド(ケヴィン・スペイシー)が民主党下院幹事から副大統領になるまで13章もかけたのに、シーズン2は同じ挿話の数で副大統領から一気に大統領まで駆け上がってしまった。
非常に展開が早く、あまりにスピーディーなので、何度も録画を一時停止したり巻き戻したりしてはセリフやディテールを確認しなければならなかったほど。
しかし、それでも、このドラマは相変わらず非常に面白い。
シーズン2のオープニングとなる第14章で、愛人兼情報操作用の記者として使っていたゾーイ・バーンズ(ケイト・マーラ)が敵に回りそうだからと、アンダーウッド自らニューヨークの地下鉄線路に突き落として殺してしまう、という出だしからして度肝を抜かれた。
この殺人をゾーイの自殺と報じているテレビニュースを、真相を知っている妻クレア(ロビン・ライト)が顔色ひとつ変えずに見つめている、という場面もなかなか怖い。
ゾーイの恋人だったルーカス・グッドウィン(セバスチャン・アーセラス)はアンダーウッドの殺人と見抜き、何とか証拠を手に入れようと調査を始めるが、FBIの計略に嵌って逆に逮捕されてしまう。
アンダーウッドは副大統領になるため、ギャレット・ウォーカー大統領(ミシェル・ギル)の後ろ盾だった実業家レイモンド・タスク(ジェラルド・マクレイニー)の力を借りたが、自分が副大統領になったら手のひらを返してタスクと大統領を引き離そうと画策。
これに激怒したタスクは、クレアが学生時代の恋人、写真家のアダム・ギャロウェイ(ベン・ダニエルズ)と不倫の関係にあったことを暴露した上、アンダーウッド行きつけのバーベキュー店のマスター、フレディ・ヘイズ(レグ・E・キャシー)の犯罪歴もマスコミに流して閉店に追い込む。
ここからアンダーウッドが逆襲に出てタスクを追放し、ウォーカー大統領を弾劾裁判にかけて辞任に追い込むまで、まさにジェットコースターようにクライマックスへ雪崩れ込んでいく。
この過程で断酒会に通っていることをカミングアウトする腹心の首席補佐官ダグラス・スタンパー(マイケル・ケリー)、アンダーウッドに下院幹事に指名されながら反旗を翻す元軍人ジャッキー・シャープ(モリー・パーカー)、タスクとアンダーウッドの間で巧妙に立ち回りながらシャープとも深い関係になるロビイストのレミー・ダントン(マハーラージャ・アリ)と、一癖も二癖もある脇役陣も魅力たっぷり。
アンダーウッドが可愛がっていたSPエドワード・ミーチャム(ネイサン・ダロウ)がクレアも交えて3Pを楽しむようになる、という何だか昔のヴィスコンティやパゾリーニを思わせる場面はいささかやり過ぎのような気もしたが。
ちなみに、この淫靡なシーンが盛り込まれた第23章はクレア役のロビン・ライトが監督を務めており、その前の第22章はジョディ・フォスターが監督。
このように、監督も豪華布陣で製作されているところも本シリーズの大きな魅力のひとつ。
アンダーウッドが大統領にまで上り詰めたことで、これからどうなるのか、シーズン3からもますます目が離せなくなりました。
オススメ度A。
ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2020リスト
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら😏 D=ヒマだ ったら😑
※再見、及び旧サイトからの再録
71『記憶にございません!』(2019年/東宝)B
70『新聞記者』(2019年/スターサンズ、イオンエンターテイメント)B
69『復活の日』(1980年/東宝)B※
68『100万ドルのホームランボール 捕った!盗られた!訴えた!』(2004年/米)B
67『ロケットマン』(2019年/米)B
66『ゴールデン・リバー』(2018年/米、仏、羅、西)B
65『FBI:特別捜査班 シーズン1 #12憎しみの炎』(2019年/米)B
64『FBI:特別捜査班 シーズン1 #11親愛なる友へ』(2019年/米)B
63『FBI:特別捜査班 シーズン1 #10武器商人の信条』(2018年/米)A
62『FBI:特別捜査班 シーズン1 #9死の極秘リスト』(2018年/米)B
61『病院坂の首縊りの家』(1979年/東宝)C
60『女王蜂』(1978年/東宝)C
59『メタモルフォーゼ 変身』(2019年/韓)C
58『シュラシック・ワールド 炎の王国』(2018年/米)C
57『ハウス・オブ・カード 野望の階段 シーズン1』(2013年/米)A
56『FBI:特別捜査班 シーズン1 #8主権を有する者』(2018年/米)C
55『FBI:特別捜査班 シーズン1 #7盗っ人の仁義』(2018年/米)B
54『FBI:特別捜査班 シーズン1 #6消えた子供』(2018年/米)B
53『FBI:特別捜査班 シーズン1 #5アローポイントの殺人』(2018年/米)A
52『アメリカン・プリズナー』(2017年/米)D
51『夜の訪問者』(1970年/伊、仏)D
50『運命は踊る』(2017年/以、独、仏、瑞)B
49『サスペクト−薄氷の狂気−』(2018年/加)C
48『ザ・ボート』(2018年/馬)B
47『アルキメデスの大戦』(2019年/東宝)B
46『Diner ダイナー』(2019年/ワーナー・ブラザース)C
45『ファントム・スレッド』(2017年/米)A
44『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019年/米)B
43『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019年/米)A
42『スパイダーマン:ホームカミング』(2017年/米)A
41『ビリーブ 未来への大逆転』(2018年/米)B
40『ワンダー 君は太陽』(2017年/米)A
39『下妻物語』(2004年/東宝)A
38『コンフィデンスマンJP ロマンス編』(2019年/東宝)C
37『FBI:特別捜査班 シーズン1 #2緑の鳥』(2018年/米)A
36『FBI:特別捜査班 シーズン1 #1ブロンクス爆破事件』(2018年/米)B
35『THE GUILTY ギルティ』(2018年/丁)A
34『ザ・ラウデスト・ボイス−アメリカを分断した男−』(2019年/米)A
33『X-MEN:アポカリプス』(2016年/米)B※
32『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014年/米)C※
31『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011年/米)B※
30『X-MEN:ダーク・フェニックス』(2019年/米)D
29『ヴァンパイア 最期の聖戦』(1999年/米)B
28『クリスタル殺人事件』(1980年/英)B
27『帰ってきたヒトラー』(2015年/独)A※
26『ヒトラー〜最期の12日間〜』(2004年/独、伊、墺)A※
25『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(2015年/独)A
24『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』(1986年/米)B
23『大脱出2』(2018年/中、米)D
22『大脱出』(2013年/米)B※
21『記者たち 衝撃と畏怖の真実』(2018年/米)B
20『ハンターキラー 潜航せよ』(2018年/米)C
19『グリーンブック』(2018年/米)A
18『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』(2017年/英、米)B
17『天才作家の妻 40年目の真実』(2018年/瑞、英、米)B
16『デッドラインU.S.A』(1954年/米)B
15『海にかかる霧』(2014年/韓)A※
14『スノーピアサー』(2013年/韓、米、仏)A※
13『前科者』(1939年/米)
12『化石の森』(1936年/米)B
11『炎の人ゴッホ』(1956年/米)B※
10『チャンピオン』(1951年/米)B※
9『白熱』(1949年/米)A
8『犯罪王リコ』(1930年/米)B
7『ユリシーズ 』(1954年/伊)C
6『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017年/泰)B
5『七つの会議』(2019年/東宝)A
4『キャプテン・マーベル』(2019年/米)B
3『奥さまは魔女』(2005年/米)C
2『フロントランナー』(2018年/米)B
1『運び屋』(2018年/米)A