声を出さずに野球が見れるか🗣

15日の試合後、ファンの〝歓声〟に応えるドラゴンズ

15日、甲子園での阪神−ヤクルト戦の最中、大声を出した観客が場内アナウンスで注意されるという一幕があったそうです。
4−4の同点だった七回1死満塁、阪神の3番手・能見、ヤクルトの4番・村上が向かい合ったところで阪神ファンが絶叫。

「能見がんばれー!!!」

これを聞き咎めた球審がタイムを取り、球場の放送係に注意を要請しました。

「お客様にお願いです。
声を張り上げての応援はご遠慮ください」

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、球場で声を出しての応援が禁じられていることは、プロ野球ファンならすでにご存知の通り。
そうした中、このように場内アナウンスで注意喚起が行われたのは初めてのことだった。

甲子園では前日14日も、阪神ファンがヤクルト・青木に、ヤクルトファンが阪神・岩崎に大声で野次を飛ばし、これを気にした岩崎がタイムをかけて試合が中断している。
2日続けての〝不測の事態〟に、選手も審判も一抹の不安を抱いたようですね。

16日、僕が取材で訪ねたナゴヤドームの中日−DeNA戦でも、時折野次が飛んでいた。
5−0と中日がリードしていた八回2死無走者で、中日の4番手・福、DeNAの3番・ソトの対決に中日ファンが一言。

「福は〜ウチ〜! 鬼は〜ソト〜!」

ナゴヤドームでは定番の野次らしく、周囲のお客さんにはあまりウケてませんでした。
でも、個人的に面白いと思ったので、この野次をツイートしたら、怒りのリプがチラホラ。

「野次が面白いとか言ってる場合か」
「声を出したらイカンやろ」

しかし、その裏、中日打線はDeNAの5番手・桜井を打ち込んで3点を追加すると、中日ファンは大喜び。
とくに、今季不振の人気者・平田がセンター前へヒットを打ったときは、この日一番の歓声が上がりました。

「わー!」「きゃー!」「うおー!」「やったー!」
そんな大声に、「ピュー!」「ピュー!」という口笛の音も混じっていた。

もちろん、外野スタンドに私設応援団が陣取っていたころに比べれば、声のボリュームは段違いに小さい。
が、感染リスクを考えたら、果たして正しい行為なのかという疑問も沸く。

ただ、野次はともかく、こういう歓声を審判や場内アナウンスが控えるよう注意すべきなのかどうか。
分別のある一定以上の年齢層ならともかく、大声を出している中には、明らかに10歳未満のお子さんたちもいた。

そういう子供にも、われわれ大人は「野球を見にきたら声を出しちゃダメだよ」と教えてあげなきゃいけないご時世なのか。
もし声を出している子供が感染者で、球場に連れてきた祖父母にうつしたら、という事態を想定したら、沈黙して野球を見るしかないんだけれど。

今朝9時半ごろの名古屋市栄

ところで、今回は2泊3日の出張中、2晩とも夜の課外活動は自粛。
時節柄、名古屋の知人友人も外出を控えているし、無理矢理誘い出して飲み歩くようなトシでもないから。

愛知県はこのところ、感染者数が連日1桁にとどまっているからか、栄や錦は人出も多く、マスクをしていないカップルやグループも目につきました。
そういう光景だけ見ていると、一瞬、コロナ禍を忘れそうになる。

一方で、昔から何度か使っていたホテルの宿泊料金は大幅値下げ。
1泊4300円で2泊8600円、しかも税込。

去年までだったら、週末は確実に1万円を超えていた部屋が、平日とはいえ、ここまで安くなっているのにはビックリ。
ただ、朝食の値段が予約800円、当日900円のまま、バイキングから定食及び弁当形式になっていたのはどうかと思いましたが。

だから、朝ご飯はホテルの近くで松屋の朝定食。
900円の朝弁当より、こっちの460円定食のほうがよっぽどお得です。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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