どうも中日がおかしい🐉

オレンジドームでブルーのユニフォームが2連敗

今週末はチャリ友と泊まりがけで西伊豆へ出かけ、昼はトレイル、夜は温泉、金目鯛と太刀魚のフルコースを楽しむ予定でした。
緊急事態宣言が解除され、他県へ旅行できるようになってから立てた久々のレジャー計画だったんだけど、折からの全国的な豪雨できのうのうちに中止が決定。

こういうとき、都内の球場でプロ野球をやっているのは大変ありがたく、さっそく自宅から最も近い東京ドームへ、巨人-中日戦を見に足を運んできました。
開幕後、巨人は勝ちゲーム、中日は負けゲームしか見ていなかったけど、きょうの先発は中日・吉見、巨人・田口という組み合わせ。

これならきょうぐらいはドラゴンズが勝てるかな、と思ったら、その吉見が初回、いきなり丸にスリーラン・ホームラン。
二回には坂本にもソロ本塁打を打たれ、4回4失点で降板してしまい、事実上、ここで勝負あった。

あくまでも僕が取材した試合に限っての印象ではありますが、どうも今季の中日は選手もベンチもやることがチグハグに見える。
実際、開幕2カード目のDeNA戦では、素人でも首を捻りたくなるようなミスや采配が多々あった。

例えば23日の試合、0-3で迎えた九回1死一・二塁のチャンス、代打・遠藤が右翼線にヒットを放った直後、二走・阿部のスタートが遅れるボーンヘッド。
阿部も荒木三塁コーチもDeNA・オースティンに打球を捕られたと見誤ったらしいが、一走・郡司(新人)はしっかりスタートを切っており、プロらしからぬミスだったと言われても仕方がない。

三塁を回ったところで郡司は阿部に追突しそうなところまで接近し、結局、阿部が三本間に挟まれてタッチアウト。
DeNA・山﨑康を攻略して同点に追いつくチャンスを自らフイにしてしまった。

阿部は翌24日にも守備位置を間違えるボーンヘッドをやっている。
2-1と1点リードしていた1死一・二塁、山本がDeNA・井納を投ゴロに打ち取り、すぐさま振り返って二塁に送球したら、阿部は二塁ベースの後ろではなく前で守っていたためベースを踏めず、一塁に送球。

その間に二走・ロペスに本塁へ生還され、みすみす1点を献上し、2-2の同点に追いつかれた。
普通にプレーしていれば、1-4-3のゲッツーでチェンジ、1点リードを守れていただけに、結果的に非常に痛いミスとなった。

この試合、四回には京田も守備でビシエドとの接触を警戒し、凡フライをポロリとやってエラーを記録されている。
五回、先発・山本がDeNA・梶谷に勝ち越しのソロ本塁打を許したのは、そうした守備の乱れが影響していたのかもしれない。

しかし、その山本も、四回の攻撃では1死一・三塁で初球送りバントのサインを見落とし、荒木三塁コーチに呼び寄せられている。
結果的には、この追加点のチャンスをフイにしたことも逆転負けの一因となった。

打順の組み方も不可解で、23日には平田、福田だった2、3番を、翌24日には前日ベンチにいた遠藤、アルモンテに変更したところ、どちらもノーヒット。
23日は八回、左のDeNA・浜口に対し、右の福田に打順が回ってきたところで左の井領を代打に送り、二ゴロに打ち取られて失敗している。

かと思えば、24日の試合では、僅か1点ビハインドで迎えた終盤、走者が出ても無安打の9番・加藤、2番・遠藤に代打を送らずに無得点。
おまけにこの日は、ベンチに下げたままだった平田を、九回になって代打ではなく一塁走者の代走で使ったりしている。

これでは平田のモチベーションが上がるわけもない。
実際、現在も平田は打率1割台で、きょうの巨人戦ではスタメンで1番に入れられたが、ノーヒットで機能せず。

投手起用でも、4失点の吉見を四回まで引っ張ったから五回も続投かと思いきや、五回頭から鈴木博に代え、丸に中押しのツーランとなる2本目の本塁打を被弾。
果たして、鈴木博はしっかり準備ができていたのか、疑問の残る継投だった、

そうした中、きょうは今季育成選手から支配下登録されたA・マルティネスが六回に代打で登場。
その裏から捕手としてマスクをかぶり、ゴンサレスと外国人バッテリーを組ませるというサプライズ采配がありました。

外国人が捕手を務めたのは、2000年の中日・ディンゴ以来20年ぶりという球史に残る出来事。
しかも、五回の先頭、俊足で知られる巨人・吉川尚を四球で塁に出した直後、持ち前の強肩で二盗を阻止している。

これには、日本テレビの中継アナも「吉川を刺しました!」と絶叫し、きょうの中日では一番の見せ場となった。
しかし、育成契約最終年の今年、今月1日にようやく支配下登録された外国人にマスクをかぶらせなければならないところにも、中日の苦しさの一端がのぞいていると言える。

なお、巨人・原監督はきょうの勝利で長嶋終身名誉監督と並ぶ通算1034勝に到達。
長嶋監督から「未来永劫、ジャイアンツの地盤がしっかりと固まるまで、チームをけん引してもらいたいと思います」と祝福のコメントを贈られていました。

それはそれで、巨人にとってはめでたいことではあるけれど、星野さんや落合さんが中日の監督だった時代は、こんな屈辱を受けたらやり返さないではおかなかった。
巨人に首位を独走させないためにも、中日は首脳陣と選手がしっかりとコミュニケーションを取り、浮上のきっかけをつかんでほしいものです。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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