神宮の観客席で無観客試合を見る⚾️

神宮ではこんな「検温済」のパスを渡される

開幕3カード目は神宮球場のヤクルト-巨人2回戦。
ここでは受付で検温したあと、「検温済」のパスを渡されるので、これを首から下げて記者席へ上がる。

昨年まで使われていた常設記者席は地下1階にあり、東スポの席は三塁側ベンチのすぐそば。
ビジターチームの選手たちの声がよく聞こえるこの席、窓から見えるグラウンドの光景をお見せしましょう。

昨年4月19日のDeNA戦(同月同日付Blogより)

しかし、現在は3密状態になるために閉鎖中で、代わりに臨時記者席となっているのがネット裏の2階観客席。
ここではグラウンドが遠くなり、球場の全景に加えて、左翼スタンドの向こう側にある新国立競技場まで見渡せる。

レフトスタンドの向こう側、神宮第2球場のネットを挟んで新国立競技場が見える

去年までと今年を比べて、これほど取材中の風景がガラリと変わった球場もほかにありません。
仕事用の記者席ではないからいろいろと不便な面はあるけれど、蒸し暑い季節柄、適度な風があって、地下より結構涼しかったのは助かった。

なかなかカッコイイ選手紹介画像

巨人の東京ドーム、DeNAの横浜スタジアムと同様、スタメン発表や打順が回るたびに電光掲示板に映される選手紹介画像も2020年バージョンに刷新。
今年は選手名の前に座右の銘が出てくるのが大きな特徴です。

主なものを紹介すると、

2番セカンド・山田哲人「平常心」
4番ファースト・村上宗隆「臥薪嘗胆」
6番ライト・雄平「堅忍不抜」
8番キャッチャー・古賀「耐えて勝つ」

う~ん、非常に昭和な感じが漂う一方、選手のみなさん、コロナ禍を耐え忍んでいかなければならないことを意識しているようですね。

ヤクルトの新4番・村上は第1打席で左前安打(画像は初球ファウル)

さて、試合は初回、ヤクルト打線が巨人先発・田口を打ち込み、山田哲、西浦の連続タイムリーで2点を先制。
しかし、きのう5-1から5-6と引っ繰り返されたばかりだから安心できないぞ、と思っていたら案の定、だった。

先発・小川が六回に捕まり、岡本、パーラの一発攻勢、投手・田口にもタイムリーを打たれ、大量4点を奪われて逆転。
ところが、きょうは直後のその裏、ヤクルト打線が巨人打線以上の大爆発したのだから、野球はわからない。

巨人の2番手・高木から新4番・村上が右翼スタンド上段にたたき込む今季2号ソロ本塁打で反撃の狼煙を上げると、なお1死一・二塁として、3番手・宮国から代打・青木が2点タイムリーツーベースですぐさまふたたび試合を引っ繰り返した。
さらに4番手・藤岡の四球で満塁になると、トドメは山田哲が左翼スタンド中段へ運ぶグランドスラムで、この回一挙7点!

この六回表裏の攻防、お客さんが入っていたら、両チームのファンともにさぞかし盛り上がったことでしょう。
巨人は岡本とパーラ、ヤクルトは村上と山田哲と、どちらも打つべき人が打ったホームランも実に見事だった。

観客席でそれぞれの美しい白球の軌跡が見られただけに、こういう試合はやっぱりお客さんに見せてあげたい、という思いがよぎりました。
ただ、試合時間が3時間22分と長かったのはいただけなかったけどねえ。

最後は9-6でヤクルトが逃げ切りに成功
スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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