練習試合取材、2戦目はコロナでいきなり中止🦠

午後1時ごろ、関係者入口がごった返していた東京ドーム

きょうは久しぶりにガックリきた。
明日からの練習試合、6月19日に決まった開幕戦はまた延期にならないか、そういう不安ばかりが頭の中をウイルスのように駆け巡っている。

きのう、ハマスタでDeNA−楽天戦を取材して久々に野球の面白さを実感。
さあ、一夜明けたきょうは東京ドームで巨人−西武戦だ! と意気込んで出かけたところへ、いきなり中止の知らせが飛び込んできた。

僕が最初に知ったのは、JR飯田橋駅のプラットフォームで総武線の電車を待っていた12時半過ぎ。
LINEに知り合いの巨人担当記者から連絡があり、「幹事連絡です。きょうの練習試合は中止になりました。理由は追って発表するそうです」とのこと。

となると、理由はひとつ、巨人の選手か関係者に新型コロナウイルスの感染者が出たとしか考えられない。
とりあえず、目の前に来た黄色い電車に乗り、飯田橋から一駅の水道橋へ。

東京ドームの前に着いてみると、感染した選手は2人、うち1人は坂本だと、詰めかけた記者たちのほとんどがすでに知っていた。
球団から発表されたように、巨人では先月29〜31日に大がかりな抗体検査を実施しており、そのころから「何人か出るんじゃないか」という声があがっていたからだ。

とくに31日に行われた一軍とファームの紅白戦では相当数の選手とスタッフが密集状態になり、報道陣の間でも〝万一の場合〟が懸念されていた。
実を言えば、きょう自宅を出る前にも、某読売グループ関係者の先輩から僕の元に電話があり、「そろそろ巨人からも出そうだぞ」と聞かされていたのだ。

ただし、巨人が早い時期から検査を実施し、微陽性の段階で坂本、大城の名前を公表した判断自体は大変賢明だったと僕は思う。
評価こそされても、決して批判されるようなことではない。

いまはとにかく、ここから感染を拡大させないよう、できる限り万全の措置を取ることが求められている。
明日以降、坂本と大城、その他の感染が疑われる選手の動線に沿った東京ドームの内部施設のチェックと消毒が急務だろう。

もしクラスターが発生すれば、今度は間違いなく、開幕の再度延期を検討せざるを得なくなる。
もう、これっきりにしてくれよ、と願わないではいられない。

その後、トボトボと徒歩で帰宅している最中、ハローワークのそばで軽トラックとオートバイの接触事故の現場に出くわした。
倒れたオートバイの周りに血が飛び散っていて、最近読んだアルベール・カミュの『ペスト』に出てくる登場人物の1人になったような気がした。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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