『夜の訪問者』(NHK-BS)😑

De la part des copains/Cold Sweat 94分 1970年 イタリア、フランス
日本配給:東和 1971年

チャールズ・ブロンソン主演映画は平均的にはある程度の面白さとクオリティーを保っていたと思うが、ハズレとなるとどうしようもない代物になる。
ひょっとしたら、本作がその最初だったのかもしれない。

監督がテレンス・ヤング、原作がリチャード・マシスン、脇を固める役者が女房役のリヴ・ウルマン、悪役の元軍の上官がジェイムズ・メイソンとくれば、期待できないわけがない、とA先生の世代なら思うよね。
ところが、これがのっけから、えっ? どうして? なぜ? の連続。

南仏の港町ビルフランシェで釣り船屋を営む主人公ジョー・マーティン(ブロンソン)が妻ファビエンヌ(ウルマン)、娘ミシェル(ヤニック・ドリュール)と暮らす家に、突然かつてのムショ仲間だったホワイティ(ミシェル・コンスタンタン)がやってくる。
このホワイティにジョーが殴り倒される場面、反撃に出たジョーがホワイティの首を折る場面をどちらも見せないところからして拍子抜け。

そこへパーティーをやっていた隣の家から、「氷をくれよ」と酔っ払いが大勢雪崩れ込んでくる、という場面はまったくの無駄。
ジョーとファビエンヌがホワイティの死体を遺棄したあと、家に戻ってみたらホワイティの仲間だったロス(メイソン)が子分と待ち受けており、妻子を人質に取られ、結局はジョーが彼らの命令に従わざるを得なくなる、というのも間が抜けている。

ブロンソンが子分のひとりカタンガ(ジャン・トパール)をやっつけながら、なぜかこいつはホワイティのように殺そうとせず、あとになってむざむざ反撃を許しているあたりも腑に落ちない。
クライマックスのカーチェイスもいま観るとまことに迫力不足で、スクリーン・プロセスで誤魔化している場面も多く、ただダラダラと長いだけ。

カタンガに追いかけられていたミシェルが目を眩まそうとライターで草を燃やしたら、あっという間に周りが火の海に、というのも明らかに不自然。
ロスのイカれた愛人モイラに扮したブロンソンの愛妻ジル・アイアランドも今回はちっとも魅力がなかった。

オススメ度D。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2020リスト
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら😏  D=ヒマだ ったら😑
※再見、及び旧サイトからの再録

50『運命は踊る』(2017年/以、独、仏、瑞)B
49『サスペクト−薄氷の狂気−』(2018年/加)C
48『ザ・ボート』(2018年/馬)B
47『アルキメデスの大戦』(2019年/東宝)B
46『Diner ダイナー』(2019年/ワーナー・ブラザース)C
45『ファントム・スレッド』(2017年/米)A
44『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019年/米)B
43『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019年/米)A
42『スパイダーマン:ホームカミング』(2017年/米)A
41『ビリーブ 未来への大逆転』(2018年/米)B
40『ワンダー 君は太陽』(2017年/米)A
39『下妻物語』(2004年/東宝)A
38『コンフィデンスマンJP ロマンス編』(2019年/東宝)C
37『FBI:特別捜査班 シーズン1 #2緑の鳥』(2018年/米)A
36『FBI:特別捜査班 シーズン1 #1ブロンクス爆破事件』(2018年/米)B
35『THE GUILTY ギルティ』(2018年/丁)A
34『ザ・ラウデスト・ボイス−アメリカを分断した男−』(2019年/米)A
33『X-MEN:アポカリプス』(2016年/米)B※
32『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014年/米)C※
31『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011年/米)B※
30『X-MEN:ダーク・フェニックス』(2019年/米)D
29『ヴァンパイア 最期の聖戦』(1999年/米)B
28『クリスタル殺人事件』(1980年/英)B
27『帰ってきたヒトラー』(2015年/独)A※
26『ヒトラー〜最期の12日間〜』(2004年/独、伊、墺)A
25『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(2015年/独)A
24『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』(1986年/米)B
23『大脱出2』(2018年/中、米)D
22『大脱出』(2013年/米)B
21『記者たち 衝撃と畏怖の真実』(2018年/米)B
20『ハンターキラー 潜航せよ』(2018年/米)C
19『グリーンブック』(2018年/米)A
18『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』(2017年/英、米)B
17『天才作家の妻 40年目の真実』(2018年/瑞、英、米)B
16『デッドラインU.S.A』(1954年/米)B
15『海にかかる霧』(2014年/韓)A※
14『スノーピアサー』(2013年/韓、米、仏)A※

13『前科者』(1939年/米)
12『化石の森』(1936年/米)B
11『炎の人ゴッホ』(1956年/米)B※
10『チャンピオン』(1951年/米)B※

9『白熱』(1949年/米)A
8『犯罪王リコ』(1930年/米)B
7『ユリシーズ 』(1954年/伊)C
6『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017年/泰)B
5『七つの会議』(2019年/東宝)A
4『キャプテン・マーベル』(2019年/米)B
3『奥さまは魔女』(2005年/米)C
2『フロントランナー』(2018年/米)B
1『運び屋』(2018年/米)A

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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