『THE GUILTY ギルティ』(WOWOW)🤗

Den Skyldige 88分 2018年 
デンマーク=ノルディスク・フィルム・ディストリビューション
日本配給:ファントム・フィルム 2019年 

舞台はデンマークの首都コペンハーゲンの警察緊急コールセンター。
ここに勤務する警察官アスガー・ホルム(ヤコブ・セーダーグレン)が女性から奇妙な電話を受ける。

しばらく適当に相槌を打っていると、どうやらこの女性はいま誘拐犯の車内に拉致されていて、子供への電話を装ってコールセンターに連絡してきたらしい。
彼女が乗せられた車をパトカーに発見させるには、現在の位置と車の特長を聞き出さなければならない。

アスガーは女性に対し、子供に話している振りをして会話を続けるよう促すが、女性の背後から早く切れという男の声が聞こえてくる。
この事件はこれからどうなるのか、場面はいつ肝心の誘拐現場へ切り替わるのかと思いながら観ていると、カメラはずっとコールセンターに据えられたまま。

この一点集中型の構成に引き込まれると、観ているこちらもホルムと同じように電話の向こうで何が起こっているのか、あれこれ想像を膨らませてハラハラ、ドキドキさせられる。
それこそが監督・脚本グスタフ・モーラーの狙いで、なるほど、映画表現にはこういう手もあったのかと、久しぶりにシンプルで斬新な手法に驚かされた。

どんでん返しも効いていて、観終わったあとにはポン・ジュノ作品のように面白かった!
とストレートに言いたくなる半面、これでよかったんだろうかという複雑な感慨も残る。

オススメ度A。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2020リスト
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら😏  D=ヒマだったら😑
※再見、及び旧サイトからの採録

34『ザ・ラウデスト・ボイス−アメリカを分断した男−』(2019年/米)A
33『X-MEN:アポカリプス』(2016年/米)B※
32『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014年/米)C※
31『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011年/米)B※
30『X-MEN:ダーク・フェニックス』(2019年/米)D
29『ヴァンパイア 最期の聖戦』(1999年/米)B
28『クリスタル殺人事件』(1980年/英)B
27『帰ってきたヒトラー』(2015年/独)A※
26『ヒトラー〜最期の12日間〜』(2004年/独、伊、墺)A
25『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(2015年/独)A
24『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』(1986年/米)B
23『大脱出2』(2018年/中、米)D
22『大脱出』(2013年/米)B
21『記者たち 衝撃と畏怖の真実』(2018年/米)B
20『ハンターキラー 潜航せよ』(2018年/米)C
19『グリーンブック』(2018年/米)A
18『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』(2017年/英、米)B
17『天才作家の妻 40年目の真実』(2018年/瑞、英、米)B
16『デッドラインU.S.A』(1954年/米)B
15『海にかかる霧』(2014年/韓)A※
14『スノーピアサー』(2013年/韓、米、仏)A※

13『前科者』(1939年/米)
12『化石の森』(1936年/米)B
11『炎の人ゴッホ』(1956年/米)B※
10『チャンピオン』(1951年/米)B※

9『白熱』(1949年/米)A
8『犯罪王リコ』(1930年/米)B
7『ユリシーズ 』(1954年/伊)C
6『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017年/泰)B
5『七つの会議』(2019年/東宝)A
4『キャプテン・マーベル』(2019年/米)B
3『奥さまは魔女』(2005年/米)C
2『フロントランナー』(2018年/米)B
1『運び屋』(2018年/米)A

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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