『ハンターキラー 潜航せよ』(WOWOW)😏

Hunter Killer 122分 2018年 
アメリカ=ライオンズゲート、サミット・エンターテインメント 日本配給:ギャガ 2019年

ジェラルド・バトラーとゲイリー・オールドマンが共演した潜水艦もの、と聞くと、どうしてもこのジャンルの傑作を思い浮かべてしまう。
古くはバート・ランカスターとクラーク・ゲーブルの『深く静かに潜航せよ』(1958年)、ショーン・コネリーとアレック・ボールドウィンの『レッド・オクトーバーを追え!』(1990年)、デンゼル・ワシントンとジーン・ハックマンの『クリムゾン・タイド』(1995年)、等々。

ロシア領バレンツ海でロシア原潜コーニクを追尾していたアメリカ原潜タンパベイが魚雷で撃沈され、攻撃型原潜(ハンターキラー )アーカンソーが捜索のために現地へ送り込まれる。
艦長は海軍兵学校を出ておらず、ソナー係や魚雷発射管清掃係からのし上がった異色の経歴を持つジョー・グラス(バトラー)。

アーカンソーが現場に着いてみると、タンパベイだけでなくコーニクも沈没しており、しかもこちらは魚雷ではなく、潜水艦内部の爆発が原因らしい。
乗組員に反対される中、グラスはコーニクに救命艇を向かわせ、セルゲイ・アンドロポフ艦長(ミカエル・ニクヴィスト)ら3人を救出する。

果たして、この巨大な氷山の漂う海域で何があったのかと、序盤はそれなりに今後の展開を期待させる。
ところが、ここからお話の舞台が潜水艦を離れ、地上ばかりで展開し始めたところで、ぼくとしてはガックリきてしまった。

そのころ、コーニク沈没の原因を探るため、北海にあるポリャルヌイ海軍基地にやってきたロシアのザカリン大統領は、ドミトリー・ドゥロフ国防相(ミハイル・ゴア)に身柄を拘束されてしまう。
コーニクとタンパベイの沈没は、クーデターの首謀者で、アメリカとの間に戦争を起こそうと企むドゥロフの差し金だったのだ。

ドゥロフの陰謀を察知したチャールズ・ドネガン統合参謀本部議長(ゲイリー・オールドマン)は、ビル・ビーマン(トビー・スティーヴンス)率いる4人のネイビー・シールズにザカリン大統領を救出するように指示。
さらに、アーカンソーのグラス艦長にポリャルヌイに救命艇を派遣し、ネイビー・シールズと落ち合って、ザカリンを救出するよう命令する。

こうして、地上部隊のシールズと海中のアーカンソーと両方で交互にサスペンスフルな場面が続くことになる、と書くといかにも面白そうだが、興味の焦点が海と地上とで分散してしまい、手に汗握るところまでいかない。
アンドロポフ艦長が意外な役割を果たすクライマックスは結構盛り上がるものの、最後のオチは“反則”と言われても仕方がないでしょう。

オススメ度C。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2020リスト
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら😏  D=ヒマだったら😑
※再見、及び旧サイトからの再録

19『グリーンブック』(2018年/米)A
18『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』(2017年/英、米)B
17『天才作家の妻 40年目の真実』(2018年/瑞、英、米)B
16『デッドラインU.S.A』(1954年/米)B
15『海にかかる霧』(2014年/韓)A※
14『スノーピアサー』(2013年/韓、米、仏)A※

13『前科者』(1939年/米)
12『化石の森』(1936年/米)B
11『炎の人ゴッホ』(1956年/米)B※
10『チャンピオン』(1951年/米)B※

9『白熱』(1949年/米)A
8『犯罪王リコ』(1930年/米)B
7『ユリシーズ 』(1954年/伊)C
6『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017年/泰)B
5『七つの会議』(2019年/東宝)A
4『キャプテン・マーベル』(2019年/米)B
3『奥さまは魔女』(2005年/米)C
2『フロントランナー』(2018年/米)B
1『運び屋』(2018年/米)A

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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