【明日28日AM8:00生出演!】TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ!日本全国8時です』150

新型コロナウイルスの感染拡大と諸方面への影響はとどまるところを知らない。
きのうプロ野球のNPBがオープン戦の残り全戦を無観客試合化、ラグビーのトップリーグやバスケットボールのBリーグが公式戦の延期を決めたかと思ったら、きょうは安倍首相が全国の小中高校に春休みまで臨時休校することを要請。

小中学生といえば、観戦娯楽スポーツにおいてはファン層の中核であり、大事なお客さんでもある。
そのお客さんが学校にも通えない状態になった以上、スポーツを見せる側、運営する側が通常の興行を再開させることは極めて難しい。

プロ野球の斉藤コミッショナーは「3月20日の開幕を目指して準備を進めていく」と話していましたが、事ここに至っては、開幕延期も視野に入れなければならないでしょう。
3月4日に運営委員会の協議が行われる選抜高校野球も、甲子園での開催が微妙になってきた。

もし休校期間の4月上旬までコロナウイルスによるパンデミックに収束の兆しが見えないようなら、どうするのか。
すべてのプロスポーツはいっそ、足並みを揃えて公式戦を無観客のテレビマッチにするしかないのではないか。

東日本大震災で開幕が延期された2011年は、私が生きているうちは日本がこんな天災に見舞われることはないだろう、と思っていた。
あれから9年、今度はこんな疫病に襲われようとは、想像もしていなかった。

震災の年は小松左京さんの『日本沈没』(1973年)を思い出したけれど、いまでは『復活の日』(1964年)が脳裏に浮かぶ。
奇しくも2011年の夏に亡くなった小松さんがいまも生きていたら、何とおっしゃるだろうか。

…などとボヤいている私は、何の因果か、学生のころ目指した小松さんのようなSF作家ではなく、スポーツライターをやっています。
日本社会がこういう最中にあっても、スポーツの楽しさや面白さ、衝撃と感動を伝えていくのが私の仕事。

プロ野球、大相撲、それに3月1日開催の東京マラソンと、明日もしっかりとネタを用意しました。
時節柄、無観客試合の内幕などにも触れますが、なるべく明るくあっけらかんと、いつもの調子でおしゃべりしたいと思います。

明日もよろしくお願いします!

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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