原典となったテレビドラマ『奥さまは魔女』(ABC、1964〜1972年)は我が国でも吹替版が放送されて大好評を博し、最近もNHK-BSでデジタルリマスター版が放送されている。
それから30年以上のち、エリザベス・モンゴメリーの演じたサマンサ役に、38歳だったニコール・キッドマンが挑戦した作品。
モンゴメリーがあまりにもドンピシャリのハマリ役だったから、キッドマンが下手に熱演したらスベっちゃうんじゃないかと思ったが、これが期待以上の大健闘を見せている。
とくに、魔法をかけるとき、鼻や口角をピクピクッと動かすジェスチャーと表情が実にキュートで、これだけ見ればシリーズ化されてもおかしくないほど。
シナリオはなかなか凝っていて、正攻法のリメイクではなく、リメイク版テレビドラマ『奥さまは魔女』が制作されることになり、ダーリン役の男優ジャック・ワイアット(ウィル・フェレル)がサマンサ役に素人のイライザ・ビグロー(キッドマン)を抜擢する、という設定になっている。
このイライザが実は本物の魔女で、魔法を使わないで本当に自分を愛してくれる男を探そうとしている真っ最中。
一方、ダーリン役のジャックのほうは主演映画がコケて〝テレビ落ち〟。
イライザを言葉巧みにかき口説き、本気で愛しているように思わせておいて、実は自分の人気回復のため、共演者として利用するだけ利用しようと企んでいた。
そんな2人に、イライザの父ナイジェル(マイケル・ケイン)、ドラマでサマンサの母エンドラを演じる女優アイリス(シャーリー・マクレーン)がからむ。
俳優はフェレルを除いてみんな好演で、とりあえず楽しく見ていられるが、ノーラ・エフロン監督の演出はメリハリに乏しく、いまひとつノっていけない。
ストーリーも後半は持って回ったような展開が目立ち、大笑いできるところまではいかなかった。
キッドマンが一際光っているだけに、大変惜しい。
オススメ度C。
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A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら😏 D=ヒマだったら😑
※ビデオソフト無し
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