主演は劇場公開当時、『ザ・エージェント』(1996年)でアカデミー助演男優賞を受賞し、売り出し中だったキューバ・グッディング・Jr.。
彼が自ら起こしたプロダクションで製作に乗り出したミステリーで、これは意外な拾い物だった。
主人公ローソン・ラッセル(グッディング・Jr.)はニューオーリンズで父親の跡を継ぎ、将来を嘱望されていた弁護士。
しかし、幼馴染みのレイプ常習犯サーマン・パークス三世(エリック・ストルツ)を無罪と言いくるめるのに罪悪感を覚え、法廷の弁護人質問でサーマンを追い詰めてしまう。
これに激怒した地元法曹界のドン、ウィリー・バニング判事(カーメン・アルジェンチアノ)はラッセルを退廷させた上、弁護士資格を剥奪。
ラッセルは作家転向を目指し、キーウェストで原稿を書きながら、釣り船のガイドをして生活費を稼いでいた。
そこへクリストファー・マーロウと名乗る老人が釣りにやってきて、ラッセルと意気投合。
バーで一緒に飲んだ翌日、マーロウはラッセルの家までやってくると、「私の書いた小説を読んでほしい」と原稿の束を置いて行く。
その小説”A Murder of Crows”(カラスの殺人)は、依頼者が有罪と知っていながら無罪を勝ち取った弁護士5人が次々に殺されるというミステリー。
あまりの面白さにすっかり感心したラッセルがマーロウの下宿先へ原稿を返しに行くと、彼は心臓発作で死んだ直後だった。
これぞ千載一遇のチャンスとばかり、ラッセルがマーロウの小説を自分の作品だと偽って出版社に持ち込んだら、たちまち予想以上のベストセラーに。
大金持ちの女社長ジェイニー・デヴリー(アシュリー・ローレンス)ともいい仲になり、ラッセルが有頂天になっていたところで刑事クリフォード・デュボース(トム・ベレンジャー)に逮捕されてしまう。
デュボース曰く、”A Murder of Crows”に書かれている5件の弁護士殺人はすべて現実に起こった事件だった。
しかも、犯行に使われた凶器や使用された車の色など、細部に至るまで犯人か被害者でなければ知り得ないことが書き込まれている、というのだ。
なかなかうまい設定で、ここからラッセルがどうやって自分の潔白を証明するのか、思わず身を乗り出さないではいられない。
やがて明らかになる真犯人像とその動機にもそれなりに説得力がある。
もともとは正義漢だったラッセルが躊躇せず盗作に走ったり、狭い街で変装もせずに真犯人を探し回りながら警察に捕まらなかったり、よくよく考えたらそもそもラッセルが盗作するよう仕向ける計画も穴だらけだったりと、結構欠点やツッコミどころも多い。
それでも、監督・脚本のロウディー・ハリントンの演出とストーリーテリングの巧さに引っ張られ、最後までそこそこ楽しめました。
オススメ度B。
ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2019リスト
A=ぜひ!(*^o^*) B=よかったら( ´▽`) C=気になったら(・・?) D=ヒマだ ったら(。-_-。)
※ビデオソフト無し
116『隣人は静かに笑う』(1999年/米)A
115『ミスター・ガラス』(2019年/米)C
114『アリー スター誕生』(2018年/米)A
113『荒野のストレンジャー』(1973年/米)B
112『セルピコ』(1974年/米)A
111『レイジング・ブル』(1980年/米)A
110『ニセコイ』(2018年/東宝)D
109『来る』(2018年/東宝)B
108『獄門島』(1977年/東宝)C
107『悪魔の手毬唄』(1977年/東宝)C
106『犬神家の一族』(1976年/東宝)B
105『止められるか、俺たちを』(2018年/若松プロ、スコーレ)C
104『モリーズ・ゲーム』(2017年/米)A
103『ガタカ』(1997年/米)A
102『デューン 砂の惑星』(1984年/米)C
101『ファイヤーフォックス』(1982年/米)C
100『デス・ウィッシュ』(2018年/米)C
99『人魚の眠る家』(2018年/松竹)A
98『焼肉ドラゴン』(2018年/ファントム・フィルム)B
97『アニメ 大好きだったあなたへ ヒバクシャからの手紙』(2019年/NHK広島放送局)A※
96『ひろしま』(1953年/北星映画)B※
95『硫黄島からの手紙』(2006年/米)A
94『父親たちの星条旗』(2006年/米)A
93『さすらいの一匹狼』(1966年/伊、西)C
92『リンゴ・キッド』(1966年/伊)C
91『皆殺し無頼』(1966年/伊)C
90『バリー・シール アメリカをはめた男』(2017年/米)A
89『スマホを落としただけなのに』(2018年/東宝)C
88『アントマン&ワスプ』(2018年/米)A
87『アイアンマン』(2008年/米)A
86『ミクロの決死圏』(1966年/米)C
85『クレオパトラ』(1963年/米)C
84『瞳の中の訪問者』(1977年/東宝)D
83『HOUSE ハウス』(1977年/東宝)C
82『マザー!』(2017年/米)B
81『アリー・イン・ザ・ターミナル』(2018年/米、英、愛、洪、香)D
80『ヴェノム』(2018年/米)B
79『ミッション:インポッシブル フォールアウト』(2018年/米)B
78『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』(2015年/米)A
77『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』(2011年/米)C
76『M:i:Ⅲ』(2006年/米)B
75『M:i-2』(2000年/米)C
74『ミッション:インポッシブル』(1996年/米)C
73『ダンテズ・ピーク』(1996年/米)C
72『スーパーマン4 最強の敵』(1987年/米)D
71『スーパーマンⅢ 電子の要塞』(1983年/米)C
70『スーパーマンⅡ リチャード・ドナーCUT版』(2006年/米)B
69『スーパーマンⅡ 冒険篇』(1980年/米)A
68『スーパーマン ディレクターズ・カット版』(1978年/米)A
68『MEG ザ・モンスター』(2018年/米)C
67『search/サーチ』(2018年/米)A
66『検察側の罪人』(2017年/東宝)D
65『モリのいる場所』(2018年/日活)B
64『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』(2017年/米)B
63『タクシー運転手 約束は海を越えて』(2017年/韓)A
62『ゲティ家の身代金』(2017年/米)B
61『ブルーサンダー 』(1983年/米)A
60『大脱獄』(1970年/米)C
59『七人の特命隊』(1968年/伊)B
58『ポランスキーの欲望の館』(1972年/伊、仏、西独)B
57『ロマン・ポランスキー 初めての告白』(2012年/英、伊、独)B
56『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(2017年/米)A
55『ウインド・リバー』(2017年/米)A
54『アメリカの友人』(1977年/西独、仏)A
53『ナッシュビル』(1976年/米)A
52『ゴッホ 最後の手紙』(2017年/波、英、米)A
51『ボビー・フィッシャーを探して』(1993年/米)B
50『愛の嵐』(1975年/伊)B
49『テナント 恐怖を借りた男』(1976年/仏)B
48『友罪』(2018年/ギャガ)D
47『空飛ぶタイヤ』(2018年/松竹)B
46『十一人の侍』(1967年/東映)A
45『十七人の忍者 大血戦』(1966年/東映)C※
44『十七人の忍者』(1963年/東映)C
43『ラプラスの魔女』(2016年/東宝)C
42『真夏の方程式』(2013年/東宝)A
41『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』(2018年/米)B
40『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017年/米)B
39『ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー』(2018年/米)C
38『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』(2017年/米)D
37『デッドプール2』(2018年/米)C
36『スキャナーズ3』(1991年/加)C
35『スキャナーズ2』(1991年/米、加、日)C
34『スキャナーズ』(1981年/加)B
33『エマニエル夫人』(1974年/仏)C
32『死刑台のエレベーター』(1958年/仏)B
31『マッケンナの黄金』(1969年/米)C
30『勇気ある追跡』(1969年/米)C
29『サウンド・オブ・ミュージック』(1965年/米)A
28『ドクトル・ジバゴ 』(1965年/米、伊)A
27『デトロイト』(2017年/米)B
26『クラッシュ』(2004年/米)A
25『ラ・ラ・ランド』(2016年/米)A
24『オーシャンズ13』(2007年/米)B
23『オーシャンズ12』(2004年/米)C
22『オーシャンズ11』(2001年/米)B
21『オーシャンと十一人の仲間』(1960年/米)B
20『マッキントッシュの男』(1973年/米)A
19『オーメン』(1976年/英、米)B
18『スプリット』(2017年/米)B
17『アンブレイカブル 』(2000年/米)C
16『アフター・アース』(2013年/米)C
15『ハプニング』(2008年/米)B
14『麒麟の翼〜劇場版・新参者』(2012年/東宝)C
13『暁の用心棒』(1967年/伊)C
12『ホテル』(1977年/伊、西独)C※
11『ブラックブック』(2006年/蘭)A
10『スペース・ロック』(2018年/塞爾維亜、米)C
9『ブラックパンサー』(2018年/米)A
8『ジャスティス・リーグ』(2017年/米)C
7『ザ・リング2[完全版]』(2005年/米)C
6『祈りの幕が下りる時』(2018年/東宝)A
5『ちはやふる 結び』(2018年/東宝)B
4『真田幸村の謀略』(1979年/東映)C
3『柳生一族の陰謀』(1978年/東映)A
2『集団奉行所破り』(1964年/東映)B※
1『大殺陣』(1964年/東映京都)C