WEDGE Infinity『赤坂英一の野球丸』166

今年2回目を迎えた野球の国際大会WBSC(世界野球ソフトボール連盟)プレミア12、決勝は〝宿命の対決〟日本-韓国戦となり、日本が初優勝して大いに盛り上がった。
が、東京ドームでこの大会を取材していて、プレミア12も日本代表の侍ジャパンも、ひとつの曲がり角を迎えているのではないかと感じたのも確かである。

侍ジャパンの〝見えざる弱点〟が一度だけ現れたのが、東京ドームで行われたスーパーラウンド・アメリカ戦だった。
先発のソフトバンク・高橋礼をはじめ、オリックス・山岡泰輔、中日・大野雄大らエース級の投手陣が4点を失い、打線が広島・鈴木誠也、楽天・浅村栄斗ら主砲クラスの打棒で3点を取って追い上げるもあと一歩及ばず、今大会初黒星を喫している。

日本のエリート集団がアメリカのエリートがひとりもいない集団に敗れたわけだ。
これが一発勝負の国際大会の怖さである。

いっそU21(21歳以下)かU23(23歳以下)の年齢に限定し、各国のプロスペクトの登竜門的国際大会にしたらどうか。
各国が足並みをそろえるのが難しければ、日本の侍ジャパンだけでも若手有望株に絞ってチームを編成すればいい。

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スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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