プレミア12、外国同士のカード観戦記

きのう15日の第1試合、アメリカ🇺🇸−台湾🇹🇼戦の試合前セレモニー

ラグビーW杯の余韻覚めやらぬ中で始まった野球のプレミア12。
果たして盛り上がるのかどうかと心配されたけれど、さすがに大詰めにくると、それなりの雰囲気が漂ってきました。

きょう16日のスーパーラウンド(決勝リーグ)最終戦、明日17日の決勝戦は日本🇯🇵−韓国🇰🇷の2連戦となることが決定。
国際試合では一番白熱するカードが2夜連続で行われるのだから、今週末の東京ドームは大いに沸くことでしょう。

そもそもこの大会、「本気で優勝を狙っているのは日本、韓国、台湾ぐらい」とマスコミ関係者の間ではもっぱらだった。
アメリカにはメジャーリーガーが1人もおらず、オーストラリアなどは他に本業を持つセミプロの集団だから、そう言われても仕方のないところはある。

では、そういう国がらみのカードは盛り上がっているのか。
少々気になって、きのう16日の第1試合、アメリカ🇺🇸−台湾🇹🇼戦を見に行ってきました。

スタンドが閑散とした中、両チームがグラウンドに整列して試合前セレモニーが行われ、厳かに国歌斉唱。
試合が始まると、予想以上に白熱した展開となった。

初回、日本戦でホームランを打ったアメリカの2番センター、ジョー・アデルがこの日も第1打席からヒット、すぐさま盗塁を決め、3番アンドリュー・ボーンのタイムリーで先制のホームを踏む。
アデルはさらに、直後の守備機会ではフェンス直撃の当たりをジャンピング・キャッチと大活躍。

台湾も3回に1点を返して同点に追いつき、六回にはフー・ジンロンのバックスクリーンに飛び込むソロホーマーで2−1と逆転。
しかし、七回にはアメリカのブレント・ルッカーが左翼スタンド中段に2ラン本塁打で試合を引っ繰り返し、これが決勝点となりました。

そのルッカーが言うには、「第1、第2打席は台湾の投手(ウー・シェンファン)にスライダーで仕留められた(2打席連続空振り三振)ので、第3打席はそのスライダーを打ってやろうと思った」。
と、狙い撃ちだったと自画自賛しながら、「一番の勝因はチーム一丸となって、みんなが力を合わせたからこそ」とアメリカのチーム力を強調していた。

ちょっと面白かったのは、会見の終了間際、スコット・ブローシャス監督に韓国メディアの記者が「次(第2試合)の韓国🇰🇷−メキシコ🇲🇽戦はどっちに勝ってほしいですか?」と質問したこと。
ブローシャス監督は笑みを浮かべ、「韓国に勝ってほしいね。それで、われわれとメキシコが3位決定戦に臨み、われわれが勝てば、来年の東京オリンピックの出場権が得られるから」と回答。

その第2試合はブローシャス監督の希望通り、7−3で韓国が快勝。
大会最終日の明日17日は日本と韓国の決勝戦はもちろん、その前に行われる3位決定戦にアメリカが出場すれば好ゲームが期待できそうです。

しかし、それはそれとして、きのうの観客動員数は第1試合のアメリカ戦が4967人、第2試合の韓国戦が5121人。
どちらも東京ドームのキャパシティー約46000人の9分の1程度だったのはあまりに寂しい。

これは次回以降の大きな課題でしょうね。
今週末はいっぱいお客さんが入りますように!

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
先頭に戻る