ええい、しまった、しまった。
この映画、最初からいい作品だとわかっていたのだから、やっぱり初公開時に音響効果抜群の映画館で見ておくべきだった。
と、WOWOWのテレビ初放送を観て、ぼくと同じように歯噛みしたくなる思いをしたファンも少なくないのではないか。
本作はアメリカでこそ大ヒットし、高い評価を得たものの、日本ではスルーした映画ファンが多く、期待されたほど興行成績が伸びなかったからだ。
劇場初公開は昨年12月21日で、先に11月9日から公開された『ボヘミアン・ラプソディ』(2018年)が大ヒットし、ロングラン上映に突入していたころ。
どちらもポップ・ミュージックを題材とした音楽映画だったことから、重なっているファン層を『ボヘミアン』に食われたものと見られている。
ネット上にアップされた映画ライターの分析によれば、こうした音楽映画のファンの間で、『ボヘミアン』をたっぷり堪能したあとでは、すぐに同じジャンルの映画を観に行く気分になれないという雰囲気が生じたらしい。
また、本作はこれで3度目となる名作のリメイクで、『ボヘミアン』に比べると、いかにも古臭いシンデレラ・ストーリーだと受け止められたことも一因ではないだろうか。
レディー・ガガ演じるヒロイン・アリーはウェイトレスをしながらバーで歌を披露している歌手の卵。
たまたまバーに立ち寄ったカントリー・シンガーの大御所、ブラッドリー・クーパー扮するジャック・メインがアリーを見染め、彼女を愛しながらスーパースターへと育て上げてゆく。
しかし、幼少期のトラウマに悩まされ、進行性難聴を患い、歌手としての将来に絶望していたジャックは、アリーの出世と反比例するようにアルコールとドラッグに耽溺。
アリーがエミー賞新人賞を受賞した舞台で失禁するという醜態を晒し、悲劇的な結末を迎えることになる。
監督も務めているクーパーは相変わらずこういう壊れゆく男がうまく、序盤から要所要所で細かく布石を打ちながら、ビッグスターの末路を熱演。
そんなクーパーのキレっぷりを全身で受け止め、添い遂げようとするアリー役のガガも好感の持てる演技を見せている。
そして、この映画は何と言っても歌が素晴らしい。
最初にガガがバーで歌う『ラ・ヴィ・アン・ローズ』で一気に引き込まれ、クーパーとガガが見せ場でデュエットする本作のテーマ曲『シャロウ』、エンディングでガガが歌い上げる『アイル・ネヴァー・ラブ・アゲイン』は聴いていて鳥肌が立ったほど。
クーパーもオープニングのハードロック・ナンバー『ブラック・アイズ』をはじめ、ソロで歌うカントリーソング『メイビー・イッツ・タイム』などでなかなか渋い歌声を披露している。
サウンドトラック版がアメリカをはじめ、欧州や中南米各国でもヒットチャート1位を独占したのも当然でしょう。
オススメ度A。
ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2019リスト
A=ぜひ!(*^o^*) B=よかったら( ´▽`) C=気になったら(・・?) D=ヒマだ ったら(。-_-。)
※ビデオソフト無し
113『荒野のストレンジャー』(1973年/米)B
112『セルピコ』(1974年/米)A
111『レイジング・ブル』(1980年/米)A
110『ニセコイ』(2018年/東宝)D
109『来る』(2018年/東宝)B
108『獄門島』(1977年/東宝)C
107『悪魔の手毬唄』(1977年/東宝)C
106『犬神家の一族』(1976年/東宝)B
105『止められるか、俺たちを』(2018年/若松プロ、スコーレ)C
104『モリーズ・ゲーム』(2017年/米)A
103『ガタカ』(1997年/米)A
102『デューン 砂の惑星』(1984年/米)C
101『ファイヤーフォックス』(1982年/米)C
100『デス・ウィッシュ』(2018年/米)C
99『人魚の眠る家』(2018年/松竹)A
98『焼肉ドラゴン』(2018年/ファントム・フィルム)B
97『アニメ 大好きだったあなたへ ヒバクシャからの手紙』(2019年/NHK広島放送局)A※
96『ひろしま』(1953年/北星映画)B※
95『硫黄島からの手紙』(2006年/米)A
94『父親たちの星条旗』(2006年/米)A
93『さすらいの一匹狼』(1966年/伊、西)C
92『リンゴ・キッド』(1966年/伊)C
91『皆殺し無頼』(1966年/伊)C
90『バリー・シール アメリカをはめた男』(2017年/米)A
89『スマホを落としただけなのに』(2018年/東宝)C
88『アントマン&ワスプ』(2018年/米)A
87『アイアンマン』(2008年/米)A
86『ミクロの決死圏』(1966年/米)C
85『クレオパトラ』(1963年/米)C
84『瞳の中の訪問者』(1977年/東宝)D
83『HOUSE ハウス』(1977年/東宝)C
82『マザー!』(2017年/米)B
81『アリー・イン・ザ・ターミナル』(2018年/米、英、愛、洪、香)D
80『ヴェノム』(2018年/米)B
79『ミッション:インポッシブル フォールアウト』(2018年/米)B
78『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』(2015年/米)A
77『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』(2011年/米)C
76『M:i:Ⅲ』(2006年/米)B
75『M:i-2』(2000年/米)C
74『ミッション:インポッシブル』(1996年/米)C
73『ダンテズ・ピーク』(1996年/米)C
72『スーパーマン4 最強の敵』(1987年/米)D
71『スーパーマンⅢ 電子の要塞』(1983年/米)C
70『スーパーマンⅡ リチャード・ドナーCUT版』(2006年/米)B
69『スーパーマンⅡ 冒険篇』(1980年/米)A
68『スーパーマン ディレクターズ・カット版』(1978年/米)A
68『MEG ザ・モンスター』(2018年/米)C
67『search/サーチ』(2018年/米)A
66『検察側の罪人』(2017年/東宝)D
65『モリのいる場所』(2018年/日活)B
64『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』(2017年/米)B
63『タクシー運転手 約束は海を越えて』(2017年/韓)A
62『ゲティ家の身代金』(2017年/米)B
61『ブルーサンダー 』(1983年/米)A
60『大脱獄』(1970年/米)C
59『七人の特命隊』(1968年/伊)B
58『ポランスキーの欲望の館』(1972年/伊、仏、西独)B
57『ロマン・ポランスキー 初めての告白』(2012年/英、伊、独)B
56『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(2017年/米)A
55『ウインド・リバー』(2017年/米)A
54『アメリカの友人』(1977年/西独、仏)A
53『ナッシュビル』(1976年/米)A
52『ゴッホ 最後の手紙』(2017年/波、英、米)A
51『ボビー・フィッシャーを探して』(1993年/米)B
50『愛の嵐』(1975年/伊)B
49『テナント 恐怖を借りた男』(1976年/仏)B
48『友罪』(2018年/ギャガ)D
47『空飛ぶタイヤ』(2018年/松竹)B
46『十一人の侍』(1967年/東映)A
45『十七人の忍者 大血戦』(1966年/東映)C※
44『十七人の忍者』(1963年/東映)C
43『ラプラスの魔女』(2016年/東宝)C
42『真夏の方程式』(2013年/東宝)A
41『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』(2018年/米)B
40『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017年/米)B
39『ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー』(2018年/米)C
38『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』(2017年/米)D
37『デッドプール2』(2018年/米)C
36『スキャナーズ3』(1991年/加)C
35『スキャナーズ2』(1991年/米、加、日)C
34『スキャナーズ』(1981年/加)B
33『エマニエル夫人』(1974年/仏)C
32『死刑台のエレベーター』(1958年/仏)B
31『マッケンナの黄金』(1969年/米)C
30『勇気ある追跡』(1969年/米)C
29『サウンド・オブ・ミュージック』(1965年/米)A
28『ドクトル・ジバゴ 』(1965年/米、伊)A
27『デトロイト』(2017年/米)B
26『クラッシュ』(2004年/米)A
25『ラ・ラ・ランド』(2016年/米)A
24『オーシャンズ13』(2007年/米)B
23『オーシャンズ12』(2004年/米)C
22『オーシャンズ11』(2001年/米)B
21『オーシャンと十一人の仲間』(1960年/米)B
20『マッキントッシュの男』(1973年/米)A
19『オーメン』(1976年/英、米)B
18『スプリット』(2017年/米)B
17『アンブレイカブル 』(2000年/米)C
16『アフター・アース』(2013年/米)C
15『ハプニング』(2008年/米)B
14『麒麟の翼〜劇場版・新参者』(2012年/東宝)C
13『暁の用心棒』(1967年/伊)C
12『ホテル』(1977年/伊、西独)C※
11『ブラックブック』(2006年/蘭)A
10『スペース・ロック』(2018年/塞爾維亜、米)C
9『ブラックパンサー』(2018年/米)A
8『ジャスティス・リーグ』(2017年/米)C
7『ザ・リング2[完全版]』(2005年/米)C
6『祈りの幕が下りる時』(2018年/東宝)A
5『ちはやふる 結び』(2018年/東宝)B
4『真田幸村の謀略』(1979年/東映)C
3『柳生一族の陰謀』(1978年/東映)A
2『集団奉行所破り』(1964年/東映)B※
1『大殺陣』(1964年/東映京都)C