WEDGE Infinity『赤坂英一の野球丸』164

今年のドラフト会議、高校野球で注目されていた〝ビッグ3〟は、いずれも彼らを最も必要としている球団へ入団することになった。
4球団が競合した大船渡・佐々木朗希はロッテが交渉権を獲得。3球団競合の星稜・奥川恭伸はヤクルト、東邦・石川昂弥は中日が当たりクジを引いた。

今季の順位を見ると、ロッテがパ・リーグ4位、ヤクルトがセ・リーグ6位、中日が同5位とそろって下位に低迷。
戦力的にも話題作りのためにも、高校野球のスター選手が喉から手が出るほどほしかった球団ばかりだ。

3球団ともに熱意をアピールしようと、ドラフト前に佐々木、奥川、石川を1位指名すると、あらかじめ発表までしている。

そんな〝弱者〟が〝ビッグ3〟を獲得し、〝強者〟であるセ・リーグ優勝の巨人が奥川、パ・リーグ優勝の西武が佐々木の抽選に参加して一敗地にまみれたわけだ。ロッテ、ヤクルト、中日のファンもさぞかし溜飲を下げ、快哉を叫んだことだろう。もしこれが〝野球の神様〟の配剤だったら、なかなか粋なことをするものだと思う。

さて、それでは、彼ら1位指名された黄金ルーキーたちは、これから入団するチームの救世主になれるのか。また、3人を獲得した球団は、彼らを立派な中心選手に育て上げることができるのか。

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スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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