虎のソラーテを見た

攻守交代の際、必ず塁審に向かって帽子を取っていた阪神・ソラーテ

ゆうべは失敗してしまった。
夜11時前後に就寝したのに、暑くて午前2時ごろに目が覚め、慌ててエアコンをつけたものの、明け方までまんじりともせず。

今年初の熱帯夜になる可能性があったんだから、最初からエアコンをつけておけばよかったんだよね。
おかげで、毎週朝7時過ぎにTBSラジオに出演している金曜日、いつも以上に寝不足で頭がボーッとする羽目に。

それでも、今日中に書いておきたい原稿がある。
今日から東京ドームと神宮で3連戦があるから、どちらかの球場の記者席で書き上げたい。

原稿がなければ神宮へヤクルト−広島戦を取材に行ったでしょうね。
でも、気温30℃を超える日にあそこの記者席にいたら、とてもパソコンに向かって原稿を書く気にはなれません。

というわけで、きょうは久しぶりに東京ドームで巨人−阪神戦を取材。
眠たくなるような展開だったら途中で帰ろうかな、と思っていたら、阪神の新外国人ソラーテが目の覚めるような見せ場を作ってくれました。

一軍初昇格即スタメン出場(2番ショート)し、初安打が勝ち越しホームラン!
それもレフトスタンドの2階席に飛び込む特大の当たりだった。

メジャーリーグ出身の大物外国人なら、どうだ、見たか、とばかりゆっくりダイヤモンドを回るところ。
でも、3A出身のソラーテはまるでインターバルダッシュのような駆け足でホームベースへ。

三塁を回ったところでハイジャンプし、ホームインしてチームメートとハイタッチする前にまたハイジャンプ。
攻守交代でショートの守備いちにつく直前、レフトスタンドの応援団に「ソラーテ・コール」を送られると、帽子を取って手を振り、深々とお辞儀。

よくよく注意して見ると、ソラーテは守備位置につく前、いちいち塁審に向かって帽子を取っている。
プレーやパフォーマンスもさりながら、そんなグラウンドで見せる一挙手一投足が印象深かった。

ソラーテ本人は試合後、一連のパフォーマンスについて、
「いいプレーをしたらその喜びを表すことが野球へのリスペクトになると思うし、(自分の)子供たちに見せたいという気持ちもあるんだよ」

取材後は報道陣に「アリガトウ」と日本語で謝意を表現。
32歳のベネズエラ人、今後が楽しみです!

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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