山本由伸を見に行ったら…

初回、オリックス・由伸vs.巨人・勇人の初対決はライト前ヒットで勇人に軍配

きょうの東京ドーム、一番の興味の的は何と言ってもオリックスの先発投手、高卒3年目の山本由伸でした。
山本が巨人に勝てば、テレビもスポーツ紙もこぞって「由伸、巨人に初勝利」、もしくは「東京ドームで初勝利」というタイトルで報じたと思う。

初回に先頭の亀井を一ゴロに打ち取り、軽快なフィールディングで31のアウトにして見せた。
ピッチングは真っ直ぐ主体で150㎞台を連発、145㎞のスプリットも鮮やかに落ちて、これなら期待できそうだと思わせた。

いや、思わせたというより、オレが勝手に思っちゃった。
このへんが、30年野球を見ていてもやっぱり素人なんだよなあ、われながら。

20歳の若者、しかも「由伸」という名前の投手が、セ・リーグの首位を伺う巨人打線をピシャリと抑える快投を見たい、見て記事にしたい。
そういう期待、というより欲目を持って見ているから、坂本にヒット、丸に2ラン本塁打を食らったときはガックリきた。

ただ、今夜の山本、力むあまり、投球が単調になっていたのも確か。
投手の今村にまで152㎞の真っすぐを投げ込んでいたあたり、「キミキミ、抜いていいところは抜いていこうよ」と、56歳のライターとしては余計なお節介を焼きたくなりました。

とはいえ、6回8安打3失点は十分合格で、しっかりゲームを作った。
降板後の山本はこんな反省の弁。

「立ち上がりから力んでしまって、うまくボールを操ることができなかった。
悔いの残る悔しい試合になりました」

うむ、これはなかなかいいコメントだ。
次回登板は期待できそうだぞ…と、やっぱり欲目で見てしまうA先生でした。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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