東京スポーツ『赤ペン‼︎』212

最近、この仕事をしていてつくづく思うことがある。
後期高齢者が激増している現代の日本で、名前を出しただけで全世代的にすぐ顔が思い浮かぶプロ野球選手がどれだけいるか。

今年は令和元年でもあり、改元直後の5月8日付紙面の当コラムでは、平成元年にブレークした巨人の若手選手を取り上げた。
井上真二(現巨人三軍監督)、緒方耕一(現日本ハム守備チーフ兼内野守備走塁コーチ)の熊工コンビに、初先発初勝利を飾った木田優夫(現日本ハムチーフ投手コーチ)などなど。

その記事を読んで、私と年齢が近いが少々年下の、あるスポーツ紙のコラムニストがこんな感想を漏らしたのである。

「ふと思ったんですけど、当時の井上さんや緒方さんと、いまの4番の岡本を比べてみて、どっちが有名ですかね?
どっちが顔と名前を全国的に知られているでしょうねえ?」

そう言われると、その岡本を新たな時代の4番にするべく、手取り足取り指導している原監督はかつて、間違いなく「全国区の4番」だった。
岡本の指導に四苦八苦している原さんに、かつての好敵手だった元広島の名捕手、達川光男さんはこう言っている。

「最近の岡本を見とって、原監督はこういうことを岡本に教えてやればええのにのう、と思うことがあるんじゃ。
何か言うたら…」

興味のある方はきょうの東スポ、大スポ、中京スポで御一読ください。

※一部地域は翌日水曜発売。
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スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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