『十七人の忍者 大血戦』(東映チャンネル)

(88分 モノクロ 1966年 東映)

前項『十七人の忍者』(1963年)と同様、〈東映チャンネル〉の「集団時代劇特集」で放送された作品。
てっきり続編かと思って録画したのだが、時代は2代将軍・秀忠が死ぬ間際だった前作から3代将軍・家光の没後に飛んでおり、内容的にはまったく関係ない。

いきなり物々しい将軍家跡目争いの説明から入った前作と違い、本作はいきなり松方弘樹と小川知子のラブシーンから始まる。
松方演じる弓削新三郎は将軍家お抱えの伊賀者のホープ、小川が扮する甲賀結香はいまや壊滅寸前の甲賀一族の美少女。

この設定の下敷きになっているのは言うまでもなく、シェークスピア悲劇『ロミオとジュリエット』。
東映がこんな洒落た翻案時代劇を作っていたのかと、思わずニヤリとさせられましたね。

そんなふたりの仲を引き裂くかのように、伊賀対甲賀の血で血を洗う抗争(毎度同じフレーズばかり使ってすみません)が繰り広げられる。
脇を固める大物俳優たちの見せ場もたっぷりで、本作では服部半蔵役のお馴染み大友柳太朗より、盲目の伊賀忍者・大原三右衛門(実は新三郎の父)に扮した嵐寛寿郎、甲賀の頭領・甲賀甚左衛門を演じた南原宏治の存在感が光っていた。

ビデオソフト化されていないのはちょっともったいない気もします。
オススメ度C。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2019リスト
※A=ぜひ!(^o^) B=よかったら(^^; C=ヒマなら(-_-) D=やめとけ(>_<)

44『十七人の忍者』(1963年/東映)C
43『ラプラスの魔女』(2016年/東宝)C
42『真夏の方程式』(2013年/東宝)A
41『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』(2018年/米)B
40『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017年/米)B
39『ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー』(2018年/米)C
38『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』(2017年/米)D
37『デッドプール2』(2018年/米)C
36『スキャナーズ3』(1991年/加)C
35『スキャナーズ2』(1991年/米、加、日)C
34『スキャナーズ』(1981年/加)B
33『エマニエル夫人』(1974年/仏)C
32『死刑台のエレベーター』(1958年/仏)B
31『マッケンナの黄金』(1969年/米)C
30『勇気ある追跡』(1969年/米)C
29『サウンド・オブ・ミュージック』(1965年/米)A
28『ドクトル・ジバゴ 』(1965年/米、伊)A
27『デトロイト』(2017年/米)B
26『クラッシュ』(2004年/米)A
25『ラ・ラ・ランド』(2016年/米)A
24『オーシャンズ13』(2007年/米)B
23『オーシャンズ12』(2004年/米)C
22『オーシャンズ11』(2001年/米)B
21『オーシャンと十一人の仲間』(1960年/米)B
20『マッキントッシュの男』(1973年/米)A
19『オーメン』(1976年/英、米)B
18『スプリット』(2017年/米)B
17『アンブレイカブル 』(2000年/米)C
16『アフター・アース』(2013年/米)C
15『ハプニング』(2008年/米)B
14『麒麟の翼〜劇場版・新参者』(2912年/東宝)C
13『暁の用心棒』(1967年/伊)C
12 『ホテル』(1977年/伊、西独)C※
11『ブラックブック』(2006年/蘭)A
10『スペース・ロック』(2018年/塞爾維亜、米)C
9『ブラックパンサー』(2018年/米)A
8『ジャスティス・リーグ』(2017年/米)C
7『ザ・リング2[完全版]』(2005年/米)C
6『祈りの幕が下りる時』(2018年/東宝)A
5『ちはやふる 結び』(2018年/東宝)B
4『真田幸村の謀略』(1979年/東映)C
3『柳生一族の陰謀』(1978年/東映)A
2『集団奉行所破り』(1964年/東映)B
1『大殺陣』(1964年/東映京都)C

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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