現場取材は試合前が面白い

阪神の試合前練習。ウインドブレーカーのポケットに両手を突っ込んだ中央の人物が矢野監督

連休明け、1週間ぶりに足を運んだプロ野球の現場は、ヤクルト-阪神戦が行われている神宮球場。
自宅から近いところにしか取材に行かないのか、と言われそうですが、きょうの関東地方の試合はここだけなのですよ。

ヤクルトの試合前取材で、私がいつも楽しみにしているのが、小川監督の囲み。
二軍監督、編成部のスカウトやシニアディレクターを務めていた経験が長いだけに、注目選手の状態を聞くと、いつも独特の視点から評価を語ってくれる。

きょう話題に上ったのは、打撃好調の村上、抑えに抜擢した梅野、ファームで調整中の寺島、などなど。
「〇〇なんて、編成にいたころ、初めて試合を見に行ったら、外野でこんな態度でさあ…」と、ざっくばらんな口調にまた味があるのですよ。

野球以外の話題も豊富な人で、紫外線による肌への悪影響、棺桶のサイズの上限など、ふだんはあまり耳にしないネタがポンポン出てくる。
これでヤクルトが勝ち、首位巨人に肉薄してくれればコラムが1本書けるぞ、と期待していたら、きょうは阪神に惜敗。

負け投手になった原樹理は新人時代にインタビューしたことがあり、応援している選手のひとり。
実は温めているネタもあるんですが、なかなか書く機会がないなあ。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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