『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』(WOWOW)

(Avengers: Infinity War/149分 2018年 アメリカ=ウォルト・ディズニー・モーション・ピクチャーズ)

あまりにも山ほど作られて、いまやオッサンにはどれがどれだかわからない〈マーベル・シネマティック・ユニバース・シリーズ〉の19作目、だそうである。
この〈アベンジャーズ・シリーズ〉は第1作『アベンジャーズ(2012年)、第2作『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』(2015年)ともに観てはいるが、登場人物が最も多いので、それだけでは〝予習〟にならない。

ファーストシーンは前項『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017年)のラストシーンから始まる。
故郷アスガルドを失ったソー&ロキ兄弟が避難民を宇宙船ステイツマンに乗せて地球へ向かっていた最中、6つのインフィニティ・ストーンを求めて悪行と虐殺を繰り返すサノス(ジョシュ・ブローリン)に襲われる。

ソーはブロンドのロン毛が特徴だったが、サノスにボコボコにされる本作では、短く刈り込んだ茶髪に変わり、しかも右目を失ってアイパッチをしている。
なぜここまでルックスが変わったかは、ソーが〝暴力姉ちゃん〟ヘラに散々痛めつけられた『バトルロイヤル』を観ていなければわからない。

サノスの襲来に備えて再度終結したアベンジャーズのリーダー、アイアンマン/トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)は、いまこそ力を合わせるべきキャプテン・アメリカ/スティーヴ・ロジャース(クリス・エヴァンス)と長らく仲違いしていた。
この経緯を理解するには、『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』(2016年)を観ておく必要がある。

サノスが狙うインフィニティ・ストーンの一つ、マインド・ストーンを額に埋め込まれたヴィジョン(ポール・ベタニー)は、アイアンマンの発案で黒人だけの独立国家ワカンダに匿われる。
このくだりにしても、『ブラックパンサー』(2018年)を観た人とそうでない人とでは、後半の展開に乗っていけるかどうかに差が出てくるはず。

ちなみに、『シビル・ウォー』と『ブラックパンサー』は、どちらもマーベル印作品群の中でも屈指の傑作。
でも、それだけきちんと〝予習〟してこの『インフィニティ・ウォー』を観たら十分満足できるのかというと、そうでもないんだよねえ。

本作はもともと『インフィニティ・ウォー』の前後編として企画された前編で、後編は『エンドゲーム』とタイトルを変えて現在劇場公開中。
さて、ここまで観たんだから、近々『エンドゲーム』を観に映画館に行こうか、それともまたWOWOWで放送されるまで待つか。

オススメ度B。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2019リスト
※A=ぜひ!(^o^) B=よかったら(^^; C=ヒマなら(-_-) D=やめとけ(>_<)

40『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017年/米)B
39『ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー』(2018年/米)C
38『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』(2017年/米)D
37『デッドプール2』(2018年/米)C
36『スキャナーズ3』(1991年/加)C
35『スキャナーズ2』(1991年/米、加、日)C
34『スキャナーズ』(1981年/加)B
33『エマニエル夫人』(1974年/仏)C
32『死刑台のエレベーター』(1958年/仏)B
31『マッケンナの黄金』(1969年/米)C
30『勇気ある追跡』(1969年/米)C
29『サウンド・オブ・ミュージック』(1965年/米)A
28『ドクトル・ジバゴ 』(1965年/米、伊)A
27『デトロイト』(2017年/米)B
26『クラッシュ』(2004年/米)A
25『ラ・ラ・ランド』(2016年/米)A
24『オーシャンズ13』(2007年/米)B
23『オーシャンズ12』(2004年/米)C
22『オーシャンズ11』(2001年/米)B
21『オーシャンと十一人の仲間』(1960年/米)B
20『マッキントッシュの男』(1973年/米)A
19『オーメン』(1976年/英、米)B
18『スプリット』(2017年/米)B
17『アンブレイカブル 』(2000年/米)C
16『アフター・アース』(2013年/米)C
15『ハプニング』(2008年/米)B
14『麒麟の翼〜劇場版・新参者』(2912年/東宝)C
13『暁の用心棒』(1967年/伊)C
12 『ホテル』(1977年/伊、西独)C※
11『ブラックブック』(2006年/蘭)A
10『スペース・ロック』(2018年/塞爾維亜、米)C
9『ブラックパンサー』(2018年/米)A
8『ジャスティス・リーグ』(2017年/米)C
7『ザ・リング2[完全版]』(2005年/米)C
6『祈りの幕が下りる時』(2018年/東宝)A
5『ちはやふる 結び』(2018年/東宝)B
4『真田幸村の謀略』(1979年/東映)C
3『柳生一族の陰謀』(1978年/東映)A
2『集団奉行所破り』(1964年/東映)B
1『大殺陣』(1964年/東映京都)C


スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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