『マッケンナの黄金』(NHK-BS)

(Mackenna’s Gold/128分 1969年 アメリカ=コロンビア・ピクチャーズ)

この映画も子供のころに地上波テレビの洋画番組で観たことがあり、そのうちノーカット字幕版を鑑賞したいと思っていた1本。
とくにクライマックスで黄金峡がガラガラと崩れてゆく特撮が壮観で、グレゴリー・ペックやオマー・シャリフが地割れを飛び越えて逃げ惑うシーンは結構正確に記憶していた。

主演のペックをはじめ、製作カール・フォアマン、監督J・リー・トンプソンと、これも子供心に胸躍らせた『ナバロンの要塞』(1961年)の主要キャストとスタッフが再結集。
『ナバロン』で音楽を担当した名作曲家ディミトリ・ティオムキンも製作に名前を連ねているのも目を引く。

しかし、改めて再見すると、トンプソンの演出はキレもメリハリもなく、『ナバロン』とは比べるべくもない出来栄え。
悪役のシャリフも魅力に乏しく、テリー・サヴァラス、イーライ・ウォラック、エドワード・G・ロビンソン、バージェス・メレディス、リー・J・コッブ、アンソニー・クェイルら超豪華脇役陣も、出てきたと思ったらあっさりインディアンたちに殺されてしまうのだから締まらない。

というわけで、見どころは先に書いたヤマ場、及びその直後のオチだけ。
この時代の映画の常として、結局は誰も黄金を手にできずに終わった、かと思ったら、終始正義感ヅラしていたペックだけがちゃっかり金塊をせしめていた、というラストシーンはいま観てもクスリとさせられたが。

その昔、『日曜洋画劇場』(NET=現テレビ朝日)で解説をしていた淀川長治さんが、「ペックだけ黄金を持って帰っちゃいましたね。なんとまあ、悪いやつでしたね」と言っていたことまで懐かしく思い出した。
でも、オススメ度はC。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2019リスト
※A=ぜひ!(^o^) B=よかったら(^^; C=ヒマなら(-_-) D=やめとけ(>_<)

30『勇気ある追跡』(1969年/米)C
29『サウンド・オブ・ミュージック』(1965年/米)A
28『ドクトル・ジバゴ 』(1965年/米、伊)A
27『デトロイト』(2017年/米)B
26『クラッシュ』(2004年/米)A
25『ラ・ラ・ランド』(2016年/米)A
24『オーシャンズ13』(2007年/米)B
23『オーシャンズ12』(2004年/米)C
22『オーシャンズ11』(2001年/米)B
21『オーシャンと十一人の仲間』(1960年/米)B
20『マッキントッシュの男』(1973年/米)A
19『オーメン』(1976年/英、米)B
18『スプリット』(2017年/米)B
17『アンブレイカブル 』(2000年/米)C
16『アフター・アース』(2013年/米)C
15『ハプニング』(2008年/米)B
14『麒麟の翼〜劇場版・新参者』(2912年/東宝)C
13『暁の用心棒』(1967年/伊)C
12 『ホテル』(1977年/伊、西独)C※
11『ブラックブック』(2006年/蘭)A
10『スペース・ロック』(2018年/塞爾維亜、米)C
9『ブラックパンサー』(2018年/米)A
8『ジャスティス・リーグ』(2017年/米)C
7『ザ・リング2[完全版]』(2005年/米)C
6『祈りの幕が下りる時』(2018年/東宝)A
5『ちはやふる 結び』(2018年/東宝)B
4『真田幸村の謀略』(1979年/東映)C
3『柳生一族の陰謀』(1978年/東映)A
2『集団奉行所破り』(1964年/東映)B
1『大殺陣』(1964年/東映京都)C

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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