連続勤務17日目、現場取材4カード・7球団目

試合前に外野ノックをする緒方コーチ。髪は白くなっても動きは軽快です

〝ひとりブラック企業〟A先生、連続勤務17日目の取材カードは東京ドームの日本ハム-西武戦である。
毎年、開幕直後は早いうちに全12球団の現場を回るようにしていて、今年はすでにカープ、巨人、ヤクルト、DeNA、阪神を見ているから、この日ハムと西武で6、7球団目。

毎年、各チームがどんな状態にあるか、自分で確認するにはやはり、現場の雰囲気を肌で感じ、関係者と会話を交わすのが一番だ。
テレビや新聞での報道、試合結果のスコアやテーブルだけではわからないことを、現場の空気は伝えてくれる。

例えば、私がきょう最初に声をかけ、握手を交わした緒方耕一野手総合コーチ。
彼は「きょうはどうしたの?」と聞きながら、すぐに「ああ、わかった」と、ひとりでうなずきながらこう言った。

「家から一番近い球場で試合をやっていて、今シーズン最初の挨拶をするのに都合がいいから、とりあえず来たっていうことね。
はいはい、そうかそうか、よくわかったよ、そんじゃねー」

その後、木田優夫投手総合コーチに手を差し伸べると、まるで力のこもっていない握手。
私が「今年もよろしくお願いします」と言うと、キッパリした口調で「嫌です」と一言。

と、けんもほろろに言われながらも、一塁側ブルペンまであの巨体にぶら下がり取材。
最近登録を抹消したある投手について、今後の見通しと起用法の予定を聞きました。

どうです。
そんな短い会話の行間からも、いまの日ハムの余裕がありそうでなさそうな、なさそうでもありそうな、微妙なチーム状態にある雰囲気がそこはかとなく伝わってくる、ような気がしませんか。

それにしても、元巨人のヒトたちのおれに対するイジりは厳しい。
高田繁さんがDeNAからいなくなってホッとしていたら、日ハムへ取材に行くたびにこれだもんなあ。

その点、こっちの顔を見ても何も言わない巨人の原監督は大人ですね。
単に口を利きたくないほど嫌われているだけかもしれないけど。

さあ、明日こそ休むぞ!
できたら明後日も!

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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