カープ開幕戦の謎

きょう30日、カープのラッキー7を東スポの記者席から撮影

広島カープの球団史上、今年の小園海斗の前に開幕一軍入りを果たした高卒新人野手は誰なのか。
きのうから、これが私とカープ関係者やOBとの間で秘かな話題になっている。

「高卒新人」としては、達川光男さんが監督だった2000年の苫米地鉄人以来19年ぶり。
ただし、苫米地は投手で、野手となると1989年以降の平成年間には前例がない。

では、昭和ではどうだったのか。
入団後、割と早い時期に新人を抜擢する例の多いカープのことだから、開幕一軍入りした高卒新人野手はすぐに見つかるはずだ。

そう思って私もマスコミ各社の担当記者諸氏も調べてみたのだが、ネットで検索をかけただけでは一向に前例が出てこない。
他球団では2016年の楽天・オコエ瑠偉、2013年の日本ハム・大谷翔平、1993年の巨人・松井秀喜、1988年の中日・立浪和義、1986年の西武・清原和博など、開幕ベンチ入りはもちろん開幕スタメンも山ほど前例があるのですが。

カープでも、1年目から一軍出場を果たした高卒新人野手は、2017年の坂倉将吾、2013年の鈴木誠也、1999年の東出輝裕、1990年の前田智徳などなど、平成年間だけでも枚挙に暇がない。
ところが、この錚々たる顔ぶれも開幕戦から一軍メンバー入りはしていないのです。

古株の球団関係者からは「ヨシヒコ(高橋慶彦)はどうだったっけ?」「意外にマメ(長嶋清幸)あたりじゃないか」「原信次かもしれんぞ」、若手OBからは「千代丸(亮彦)さんは違う?」なんて声もあがったけれど、調べてみるとみんな不正解。
1年目から開幕スタメンでもおかしくなかったのは、地元の崇徳高校からドラフト1位で入団した1977年の山崎隆造だったが、故障などでデビューが回り道せざるを得ず、一軍初昇格は2年目の翌78年だった。

というわけで、小園以前の「開幕一軍高卒新人野手」はいまだに不明のまま。
もしおわかりの方がいたら、是非お知らせください。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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