『オーメン』(WOWOW)

(The Omen/1976年 イギリス、アメリカ 111分)

毎年2月、WOWOWがアカデミー賞授賞式に合わせて企画している〈アカデミー賞受賞作特集〉で放送された1本。
このオカルト映画(いまや死語か)がオスカーを獲得したのはジェリー・ゴールドスミスの作曲賞である。

今回、久しぶりにオープニングの主題曲「アベ・サンターニ」をじっくり聞いてみたところ、改めて傑作だと思いました。
『カサンドラ・クロス』(1976年)や『カプリコン・1』(1978年)もそうだったけど、劇場公開当時、オンタイムで聴いたゴールドスミスの音楽はいまも耳にこびりついて離れない。

本作では、ブレナン神父(パトリック・トラウトン)、ジャーナリストのジェニングス(デヴィッド・ワーナー)、ロバート・ソーン(グレゴリー・ペック)の妻キャサリン(リー・レミック)らが悪魔の犠牲になるたび、お決まりのように「アベ・サンターニ」をアレンジした音楽が流れる。
これがまた非常に効果的なんですよ。

とくに、深夜の病室からキャサリンが逃げ出そうとした途端、ダミアンの乳母ベイロック夫人(ビリー・ホワイトロー)が現れ、彼女の凶暴な目つきのクローズアップに〝殺しのテーマ曲〟がかぶさる場面がスゴイ。
ほとんど1970〜80年代の『必殺シリーズ』(『仕掛人』、『仕置人』など、大阪朝日放送で製作されたテレビ時代劇)のノリである。

悪魔の子ダミアンを演じたハーヴェイ・スペンサー・スティーヴンスの演技には、いま見ても奇妙な魅力と薄気味悪さを感じる。
リチャード・ドナー監督の演出もうまかったんでしょうね。

オススメ度B。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2019リスト
※A=ぜひ!(^o^) B=よかったら(^^; C=ヒマなら(-_-) D=やめとけ(>_<)

18『スプリット』(2017年/米)B
17『アンブレイカブル 』(2000年/米)C
16『アフター・アース』(2013年/米)C
15『ハプニング』(2008年/米)B
14『麒麟の翼〜劇場版・新参者』(2912年/東宝)C
13『暁の用心棒』(1967年/伊)C
12 『ホテル』(1977年/伊、西独)C
11『ブラックブック』(2006年/蘭)A
10『スペース・ロック』(2018年/塞爾維亜、米)C
9『ブラックパンサー』(2018年/米)A
8『ジャスティス・リーグ』(2017年/米)C
7『ザ・リング2[完全版]』(2005年/米)C
6『祈りの幕が下りる時』(2018年/東宝)A
5『ちはやふる 結び』(2018年/東宝)B
4『真田幸村の謀略』(1979年/東映)C
3『柳生一族の陰謀』(1978年/東映)A
2『集団奉行所破り』(1964年/東映)B
1『大殺陣』(1964年/東映京都)C


スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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