今年のWOWOW〈M・ナイト・シャマラン特集〉一番の呼び物だった作品。
ここ数年ブレーク中のジェームズ・マカヴォイが、23の多重人格を持つ誘拐殺人犯のサイコパスを演じている。
シャマランの演出は相変わらず導入部がうまい。
拐われる3人の女子高生のひとりケイシー・クック(アニャ・テイラー=ジョイ)のクローズアップから入り、彼女がクラスメートの中で浮いていることをさりげなく匂わせながら、突然誘拐犯(マカヴォイ)を登場させ、否応なしに本筋へと引きずり込んでいく。
この誘拐を実行した人格は「デニス」という名前で、いかにもステレオタイプのサイコパス。
そこに女性の「パトリシア」、9歳の少年「ヘドウィグ」が混じり、さらに彼ら複数の人格を第三者の立場でコントロールしている「バリー」という人格があることがわかってくる。
ケイシーは当初、引っ込み思案な少女だったが、拉致監禁されると一緒に誘拐された同級生をリードして脱出を計画。
その過程で、実は彼女が父親を亡くしたあと、引き取られた叔父に性的虐待を受けていたことが明らかにされる。
誘拐犯の「デニス」ももともとは「ケヴィン」という名前で、性的虐待を受けたことから解離背同一性障害を起こし、多重人格者となったのだった。
そして、ケイシーたちを閉じ込めている最中、24番目の人格として「ビースト」という殺人鬼が誕生する。
…という具合に、筋立てはまことによくできているのだが、最後はどうなるのかとハラハラドキドキし、手に汗握るところまではいかなかった。
シャマランが最初からシリーズ化を意識していたためか、ショック演出がインパクトに乏しく、クライマックスの盛り上がりもいまひとつ。
オススメ度B。
ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2019リスト
※A=ぜひ!(^o^) B=よかったら(^^; C=ヒマなら(-_-) D=やめとけ(>_<)
17『アンブレイカブル 』(2000年/米)C
16『アフター・アース』(2013年/米)C
15『ハプニング』(2008年/米)B
14『麒麟の翼〜劇場版・新参者』(2912年/東宝)C
13『暁の用心棒』(1967年/伊)C
12 『ホテル』(1977年/伊、西独)C
11『ブラックブック』(2006年/蘭)A
10『スペース・ロック』(2018年/塞爾維亜、米)C
9『ブラックパンサー』(2018年/米)A
8『ジャスティス・リーグ』(2017年/米)C
7『ザ・リング2[完全版]』(2005年/米)C
6『祈りの幕が下りる時』(2018年/東宝)A
5『ちはやふる 結び』(2018年/東宝)B
4『真田幸村の謀略』(1979年/東映)C
3『柳生一族の陰謀』(1978年/東映)A
2『集団奉行所破り』(1964年/東映)B
1『大殺陣』(1964年/東映京都)C