東野圭吾の原作をテレビドラマ化した2010年4月期の『日曜劇場/新参者』(TBS)の劇場映画版第1作。
本作の続編に当たる『祈りの幕が下りる時』(2018年)が面白かったので期待したのだが、こちらの出来栄えはいまひとつだった。
ある寒い夜、麒麟の像が立つ日本橋の欄干に、腹をナイフで刺され、血まみれになった男がもたれかかる。
折り鶴を神田川に投げた男はその場に倒れ、警察官に発見されるも、搬送先の病院で死亡してしまった。
その直後、現場付近にいた若者が警察官に呼び止められて逃げ出し、トラックに撥ねられて意識不明の重体に陥る。
刺殺された男はカネセキ金属の製造本部長・青柳武明(中井貴一)、重体となったのはそのカネセキ金属でリストラに遭ったばかりの派遣社員・八島冬樹(三浦貴大)。
八島は逃亡していた最中、現金の入った青柳のカバンを持っていた。
クビにされたことを恨みに思った八島が青柳を刺し、金品を奪ったのか。
しかし、八島と同棲していた恋人・中原香織(新垣結衣)は懸命に八島の無実を訴える。
早期解決を図ろうとする捜査本部に対し、刑事・加賀恭一郎(阿部寛)は例によって同僚の従弟・松宮脩平(溝端淳平)と独自の捜査を開始。
やがて、青柳の息子・悠人(松坂桃李)がこの事件に何らかの関わりを持っているらしいことがわかってくる。
…と、こうして背後関係が明らかになる過程はさすが東野ミステリ、端役まで豪華なキャスティングと相俟って、ワクワクさせながら楽しませてくれる。
しかし、正直なところ、青柳を刺した真犯人の動機は納得しがたい。
また、青柳が刺された直後に助けを呼ぼうともず、日本橋まで歩いて行った心情も理解しかねる。
これは原作の欠点なのか、それとも映画版のシナリオがもたらした破綻なのかははっきりしませんが。
オススメ度C。
ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2019リスト
※A=ぜひ!(^o^) B=よかったら(^^; C=ヒマなら(-_-) D=やめとけ(>_<)
13『暁の用心棒』(1967年/伊)C
12『ホテル』(1977年/伊、西独)C
11『ブラックブック』(2006年/蘭)A
10『スペース・ロック』(2018年/塞爾維亜、米)C
9『ブラックパンサー』(2018年/米)A
8『ジャスティス・リーグ』(2017年/米)C
7『ザ・リング2[完全版]』(2005年/米)C
6『祈りの幕が下りる時』(2018年/東宝)A
5『ちはやふる 結び』(2018年/東宝)B
4『真田幸村の謀略』(1979年/東映)C
3『柳生一族の陰謀』(1978年/東映)A
2『集団奉行所破り』(1964年/東映)B
1『大殺陣』(1964年/東映京都)C