中学生のころ、NET(現テレビ朝日)系列で放送された1時間半枠の洋画番組『土曜映画劇場』で観たことのあるマカロニ・ウエスタン。
恐らく放映権料が安かったからだろうが、この番組ではよくマカロニ特集をやっていて、当時から映画小僧だったぼくは首までどっぷりこの世界に浸かっていた。
いま観ると、『荒野の用心棒』(1963年)のパクリであることがアリアリですな。
舞台がメキシコ国境近くの寂れた村という設定に加え、主人公〝よそ者〟(トニー・アンソニー)がポンチョ姿で登場するオープニングも本家にそっくり。
この主人公がメキシコの山賊アギラ(フランク・ウォルフ)に、アメリカからメキシコに貸し出される金貨を横取りしてしまおうと儲け話を持ちかける。
首尾よく金貨を騙し取る手口はオリジナルながら、主人公がこっそり金貨を独り占めして逃げ出そうとしたところ、取っ捕まってボコボコにされるという展開はまたしても本家からのイタダキ。
それでも、血みどろになりながら山賊のアジトから脱出した主人公が、村に追っ手をおびき寄せて身を隠し、ひとり、またひとりと闇討ち、不意打ちで仕留めていく見せ場は、なかなかトボけた味わいで楽しめる。
開巻から何度も流れるベネデット・ギリアの主題曲『よそ者のテーマ』も素晴らしく、佳曲・名曲の多いマカロニ音楽の中でも屈指の出来栄え。
イタリア本国、アメリカではそこそこヒットし、〈ストレンジャー・シリーズ〉として第3作まで製作された。
3作目はなんと〝よそ者〟が江戸時代の日本に乗り込み、侍たちと対決するという内容で、主演のアンソニー自身が製作と原案を手がけたという。
オススメ度C。
ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2019リスト
※A=ぜひ!(^o^) B=よかったら(^^; C=ヒマなら(-_-) D=やめとけ(>_<)
12『ホテル』(1977年/伊、西独)C
11『ブラックブック』(2006年/蘭)A
10『スペース・ロック』(2018年/塞爾維亜、米)C
9『ブラックパンサー』(2018年/米)A
8『ジャスティス・リーグ』(2017年/米)C
7『ザ・リング2[完全版]』(2005年/米)C
6『祈りの幕が下りる時』(2018年/東宝)A
5『ちはやふる 結び』(2018年/東宝)B
4『真田幸村の謀略』(1979年/東映)C
3『柳生一族の陰謀』(1978年/東映)A
2『集団奉行所破り』(1964年/東映)B
1『大殺陣』(1964年/東映京都)C