東京スポーツ『赤ペン!!』194

長いことプロ野球の取材を続けていると、この人にだけは必ず話を聞いておかなければならない、という取材対象がどこのチームにもいるものです。
まだ若かったころは、とくにカープや巨人にそういう人が多かった。

当時は大変でしたよ。
最初に出くわした人と思わぬ長話になり、親しくしている別の人に声をかけそびれ、その人に後日改めて「こんちはあ」と挨拶したら、「ほお、赤坂も偉うなったのう。この間は、わしに見向きもせんかったくせに」とこってり嫌味を言われる。

しかし、トシを取るにつれて、そういう昔馴染みもひとり減り、ふたり減り…。
気がついたら、自分より年上、もしくは同世代で気軽に雑談のできる人は、どこのチームにもほんの少ししか残っていない。

そうした中、カープの東出打撃コーチは、いつもざっくばらんに率直な意見を聞かせてくれる貴重な人物のひとり。
今年も日南で根掘り葉掘り聞いてきました。

「レギュラーが決まっているのは、(4番・ライトの鈴木)誠也と二遊間(田中、菊池涼)だけ。ほかのポジションはオープン戦で競争してもらいます。
 もちろん、長野も例外ではありませんよ」(本文より)

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スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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