小園海斗の取材に行ったら

 久々に広島の大野練習場へ行ってきました。
 広島商業関連の取材がきのうで一段落したから、きょうは帰京してもよかったんだけど、ちょうどカープの新人合同自主トレ初日だったもので。

 ここに来るのは水本勝巳二軍監督のインタビューを行った一昨年の年末以来。
 室内練習場の前にはいまも変わらず、松田耕平オーナーが慶應大学の恩師・小泉信三に賜った遺訓を刻んだ石碑が立っていました(画像)。

 今年のドラフト1位新人・小園海斗(報徳学園)は、某広商OBの評論家も大絶賛。
 「高卒内野手としては今年で一番ええ。中日に行った根尾(昂=大阪桐蔭)よりも上じゃと聞いてる」と言っているほどなのだから、見に行かないわけにはいかない。

 ところが、当初は大勢詰めかけていた記者たちが、10時半過ぎに球団事務所のあるマツダスタジアムへ大挙して移動。
 巨人へFA移籍した丸佳浩の人的補償で、広島が長野久義を獲得した、という東スポのスクープ記事がネットにアップされたため。

 正直言って、嫌な予感はしていた。
 東スポは以前から長野の流出を匂わせる記事を何度か書いていたし、私は今朝から東スポのカープ番と一緒に行動していたので、何か特ダネをぶちかましそうな雰囲気は嫌でも伝わってくる。

 小園の囲みを取材し、水本二軍監督、道原裕之寮長にコメントをもらうと、私も押っ取り刀で球団事務所へ移動。
 鈴木球団本部長の「リストの中で一番いい選手だった」、松田元オーナーの「4連覇、日本一を考えたら育成だけでは間に合わない」といったコメントを取材しました。

 朝からあちこち行ったり来たりして、20年ぶりぐらいで担当記者気分を味わった。
 こんな面倒臭いことが起こるんなら、やっぱりきょう早めに帰っときゃよかった…なんて言っちゃいかんか。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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