『ワンダーウーマン』(WOWOW)

Wonder Woman

〈DCエクステンデッド・ユニバース〉シリーズ第2作『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016年)に初登場したワンダーウーマンを主人公に据えたシリーズ第4作。
 前作でもカッコよかったワンダーウーマン(=ダイアナ)役ガル・ガドットの魅力全開、比較的暗い作品の多いこのシリーズの中では最も素直に楽しむことができた。

 ストーリーは現代でブルース・ウェイン(バットマン)とともに活動するダイアナの回想形式で展開。
 彼女ははるか昔、女性戦士アマゾン族が住むセミッシラ島で、女王ヒッポリタ(コニー・ニールセン)のひとり娘として生まれた。

 父親はおらず、もともとは粘土の人形だったのだが、そこにゼウスをはじめとする神々が特別な力を注ぎ込み、おまえが出来上がったのだ、とヒッポリタはダイアナに説明していた。
 しかし、実はヒッポリタとゼウスの間にできた「半神半人」であることが次第にわかってくる(神と人間がナニをして子供をつくったのか、などということを考えてはイケナイ)。

 一方、父ゼウスの息子で軍神でもあるアレスは父に反発、父が自身に似せて作った人間に嫉妬し、人間同士を争わせて絶滅させようと画策していた。
 第1次世界大戦たけなわの時代、ダイアナはナチス・ドイツのエーリッヒ・ルーデンドルフ総監(ダニー・ヒューストン/ジョン・ヒューストンの息子)がアレスに操られていると察知し、島を出て戦場へ向かう。

 バットマンやスーパーマンがどこか陰気なキャラクターだったのに対し、ワンダーウーマンは明るく前向きで、色っぽさと逞しさを程よく併せ持っているところがいい。
 人間の彼氏、アメリカ陸軍航空部パイロットを演じるクリス・パインも、脇に回っていい味を出している。

 シリーズ屈指の爽快な作品に仕上がったのは、『モンスター』(2003年)で知られる女性監督パティ・ジェンキンスがメガホンを取ったことが最大の要因だろう。
 日本ではパッとしない興行成績に終わったが、アメリカではシリーズ一番のヒットを記録し、すでに同じ監督・主演のコンビで続編の製作が決まっているそうだ。

 今度は劇場へ見に行こう。
 オススメ度B。

(2017年 アメリカ=ワーナー・ブラザース 141分)

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2018リスト
※A=ぜひ!(^o^) B=よかったら(^^; C=ヒマなら(-_-) D=やめとけ(>_<)

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63『リリーのすべて』(2016年/米)A
62『永い言い訳』(2016年/アスミック・エース)A
61『強盗放火殺人囚』(1975年/東映)C
60『暴動島根刑務所』(1975年/東映)B
59『脱獄広島殺人囚』(1974年/東映)A
58『893愚連隊』(1966年/東映)B
57『妖術武芸帳』(1969年/TBS、東映)B
56『猿の惑星』(1968年/米)A
55『アンドロメダ・ストレイン』(2008年/米)C
54『ヘイル、シーザー!』(2016年/米)B
53『パトリオット・デイ』(2016年/米)A
52『北陸代理戦争』(1977年/東映)A
51『博奕打ち外伝』(1972年/東映)B
50『玄海遊侠伝 破れかぶれ』(1970年/大映)B
49『暴力金脈』(1975年/東映)B
48『資金源強奪』(1975年/東映)B
47『ドライヴ』(2011年/米)C
46『バーニング・オーシャン』(2016年/米)A
45『追憶の森』(2015年/米)B
44『22年目の告白 -私が殺人犯です-』(2017年/ワーナー・ブラザース)B
43『パットン大戦車軍団』(1970年/米)B
42『レッズ』(1981年/米)B
41『ニュートン・ナイト 自由の旗をかかげた男』(2016年/米)B
40『エクス・マキナ』(2015年/米)B
39『オール・アバウト・マイ・マザー』(1999年/西)B
38『ムーンライト』(2016年/米)B
37『アメリカン・バーニング』(2017年/米)B
36『セル』(2017年/米)C
35『トンネル 闇に鎖された男』(2017年/韓)B
34『弁護人』(2013年/韓国)A
33『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016年/クロックワークス)A
32『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』(2017年/東宝)B
31『南極料理人』(2009年/東京テアトル)B
30『沈黙 -サイレンス-』(2016年/米)B
29『メッセージ』(2016年/米)B
28『LOGAN/ローガン』(2017年/米)C
27『チャック~“ロッキー”になった男~』(2017年/アメリカ)B
26『ヒッチコック/トリュフォー』(2015年/米、仏)B
25『沖縄やくざ戦争』(1976年/東映)B
24『恐喝こそわが人生』(1968年/松竹)B
23『われに撃つ用意あり』(1990年/松竹)C
22『T2 トレインスポッティング』(2017年/英)A
21『ロスト・エモーション』(2016年/米)C
20『激流』(1994年/米)C
19『チザム』(1970年/米)B
18『駅馬車』(1939年/米)A
17『明日に処刑を…』(1972年/米)A
16『グラン・ブルー[オリジナル・バージョン]』(1988年/仏、伊)B
15『エルストリー1976- 新たなる希望が生まれた街 -』(2015年/英)D
14『I AM YOUR FATHER/アイ・アム・ユア・ファーザー』(2015年/西)B
13『サム・ペキンパー 情熱と美学』(2005年/独)B
12『ビリー・ザ・キッド 21才の生涯』(1973年/米)B
11『わらの犬』(1971年/米)A
10『O嬢の物語』(1975年/仏、加、独)C
9『ネオン・デーモン』(2016年/仏、丁、米)D
8『団地』(2016年/キノフィルムズ)B
7『スティーブ・ジョブズ』(2015年/米)B
6『スノーデン』(2016年/米)A
5『キングコング:髑髏島の巨神』(2017年/米)B
4『ドクター・ストレンジ』(2016年/米)B
3『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』(1967年/台、香)B
2『新宿インシデント』(2009年/香、日)B
1『日の名残り』(1993年/英、米)A

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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