『世界最高峰のマジック殿堂 マジックキャッスル2018』

 NHK衛星放送の〈BSスーパープレミアム〉として放送されたマジックショー番組。
 昨年4月に放送された『スーパープレミアム/潜入!世界最高峰のマジック殿堂 マジックキャッスル』の続編に当たる。

 前回に続いて世界的マジシャンで、マジックキャッスル理事でもある緒川集人が解説者として登場。
 世界最先端のマジックの見どころは何か、マジシャンの個性や技術の巧さと併せて、わかりやすく解説してくれる。

 今回も様々なマジシャンが登場するが、まずクロースアップ部門で一番面白かったのは、ヘンリー・エバンスの「スローモーション・コインマジック」。
 カードとカードの間から大きなコインを出して見せる手際には驚かされました。

 ステージ部門ではミカエル・ザニエルの「マジック・ミュージカル」、マック・キングの金魚とモルモットを使ったマジックが大いに笑わせてくれた。
 とりわけ、マックが金魚を口から吐き出したり、モルモットを一気に食べて社会の窓から引っ張り出したりするマジックは、何度見てもどうしてあんなことができるのかわからない。

 圧巻はアーノルド&ダズル親子(父と娘)によるイリュージョン・マジックの空間移動。
 最初にアヒルを移しただけでも十分ビックリしたけど、娘のダズルをあっという間に別の場所へ移したマジックには絶句。

 目新しい趣向だったのは、緒川が修行時代からの友人、オーストラリア人マジシャン、サイモン・コロネルと組んだ「表と裏の笑劇場」。
 ふたりの楽屋での打ち合わせを挟みながら、カードや本を使ったマジックを観客に見せ、最後にもう一度楽屋に戻ったところで、なかなか凝ったオチをつける。

 未見の方は再放送をお見逃しなく。
 パート3が楽しみです。

(初放送:5月26日PM8:00~ 180分)

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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