counter
www.akasaka-cycle.com
font size       [old site
 home   blog   works   pick-up   others   profile   bbs 
『ローン・サバイバー』(WOWOW)
2015年05月20日(水)
Lone Survivor


 日本では昨年春、よくある中東地域での戦争を素材としたアクション映画のように宣伝され、それほど評判にもならずに劇場公開が終わってしまった。
 しかし、今春の話題作『アメリカン・スナイパー』をも凌ぐ出来栄えで、もっと再評価されてもいい。

 原作は米軍の精鋭特殊部隊ネイビーシールズの一等兵だったマーカス・ラトレルの従軍体験記。
 そのラトレルを演じるマーク・ウォールバーグが自ら製作も務めている。

 2005年6月、タリバンの指導者のひとりを暗殺する「レッド・ウイング作戦」遂行のため、シールズの小隊4人がアフガニスタンの山岳地帯に潜入。
 しかし、任務遂行に失敗して約200人もの兵士に追われる羽目になり、ラトレルだけが小隊4人の中でたった1人生還するまでが描かれる。

 暗殺失敗の原因の一つは、山に電波を遮られて無線や携帯電話が使えなかったこと。
 兵士の1人が命がけで山頂に上り、電話でジャララバードの前線基地に救出を求めたあと、追っ手から逃れようとひたすら山を下り続ける。

 下るというよりは転がり落ちるといったほうが正確だろう。
 銃創で血だらけになった彼らが岩場の上を転がっては巨大な岩石や大木の根元にたたきつけられる描写は凄絶の一語。

 救出を焦った前線基地では戦闘用ヘリのアパッチを護衛につけないまま、輸送用ヘリを現場に向かわせる。
 しかし、ラトレルら生き残った兵士たちの頭上までやって来たヘリは、地上からタリバンによる激しい攻撃に晒された。

 ロケはニューメキシコで行われたそうだが、見ている間はアフガニスタンとしか思えない。
 クライマックスの銃撃戦がまったくのフィクションだった『アメリカン・スナイパー』と違い、こちらは「シールズ史上最大の悲劇」とまで言われた実話だから、迫力とリアリティーが違う。

 また、ストーリーの大詰めに来て、パシュトゥン人たちの英雄的な姿が描かれていることも、ほかの戦争映画にはない大きな特徴の一つ。
 彼らはアフガニスタンで最も勇敢にタリバンに立ち向かった民族であり、あのマララ・ユスフザイもパシュトゥン人であることを誇りにしていると自伝『わたしはマララ』(2013年)に綴っている。

 近年のハリウッド製戦争映画ではポール・グリーングラス監督、マット・デイモン主演の『グリーンゾーン』(2010年)と並ぶ問題作。
 いまだからこそ見ておきたい。

 お勧め度はA。

(2014年 アメリカ=ユニバーサル・ピクチャーズ/日本配給ポニー・キャニオン、東宝東和 121分)

 ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2015リスト
 ※A=ぜひ!(^o^) B=よかったら(^^; C=ヒマなら(-_-) D=やめとけ(>_<)

35『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014年/米)B
34『真昼の決闘』(1952年/米)A
33『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(1990年/米)B
32『運動靴と赤い金魚』(1997年/伊蘭)A
31『ルームメイト』(2013年/東映)C
30『モテキ』(2011年/東宝)C
29『神様のカルテ』(2011年/東宝)C
28『バットマン』(1989年/米)B
27『バックドラフト』(1991年/米)B
26『イーグル・アイ』(2008年/米)A
25『そこのみにて光輝く』(2014年/東京テアトル他)A
24『サイドウェイ』(2004年/米)A
23『ザ・キャピタル マネーにとりつかれた男』(2012年/仏)C
22『メトロ42』(2012年/露)C
21『リベンジ・マッチ』(2013年/米)C
20『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』(2013年/米)C
19『ボーン・アルティメイタム』(2007年/米)B
18『ボーン・スプレマシー』(2003年/米)B
17『ボーン・アイデンティティー』(2002年/米)B
16『ザ・タワー 超高層ビル大火災』(2012年/韓)B
15『ハードエイト』(1996年/米)A
14『刑事コロンボ 第38話「ルーサン警部の犯罪」』(1976年/米)B
13『刑事コロンボ 第37話「さらば提督」』(1976年/米)B
12『ワイルド・ビル』(1995年/米)C
11『鷲と鷹』(1969年/米)C
10『プロフェッショナル』(1966年/米)C
9『戦略大作戦』(1970年/米)C
8『スリー・キングス』(1999年/米)B
7『里見八犬伝』(1983年/角川春樹事務所)C
6『パシフィック・リム』(2013年/米)A
5『大脱出』(2013年/米)B
4『追悼のメロディ』(1976年/仏)A
3『フリック・ストーリー』(1975年/仏、伊)B
2『ロボコップ』(2014年/米)B
1『アメリカン・ハッスル』(2013年/米)B
Number965
平成日本シリーズ
激闘録1991
広島vs.西武
定価600円