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『殺意の夏』(WOWOW)
2012年06月24日(日)
L'Été meurtrier,One Deadly Summer

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 イザベル・アジャーニを見る映画である。
 いや、ホンモノの女優とは何かを見る映画である、と言ってもいいかもしれない。
 それぐらい、この作品のアジャーニは美しい。面白い。カッコイイ。ときに無垢で、ときに凄艶で、ときに彼女の身体そのものが芸術作品のように見える。
 アジャーニの美しさには媚がない。自分が見せたいように見せ、演じたいように演じ、男の目を惹き付ける一方、下手な批評を撥ね付けて毅然としている。
 のちに結婚する消防士の男(アラン・スーション)と納屋で一夜をともにした翌朝、素っ裸で自動ピアノを見つけ、庭へ出てゆく場面が素晴らしい。
 その庭でスーションの母親、つまり未来の姑(ジェニー・クレーヴ)と向き合うと、挑発的な目つきで睨みつけ、前を隠そうともせず、その場に足を開いてしゃがみ込む。
 画面はそこでアジャーニの顔のアップに切り替わり、彼女の放心した表情から、放尿していることをイメージさせる。
 自分の家に帰ってきたアジャーニは、自分の母親(マリア・マチャド)にこれからはスーションの家で暮らすと告げ、抱きつき、乳房を引っ張り出して乳首を吸う。
 こうして強引にスーションの家に乗り込むと、今度はキッチンにバスタブを持ち込み、また姑とその姉の目の前で全裸になって行水をする。
 そのヌードは生活感を感じさせ、匂い立つほどエロティックでありながら、次第に彼女の肉体そのものが女優としての衣装のように見えてくるのだ。
 ただし、ミステリーとして成功しているとは言い難い。
 アジャーニとスーションのラヴシーン、スーションの家族とのイザコザが描かれたくだりが明るくコミカルな味わいなのに比べて、彼女の目的が復讐にあることが語られるシークェンスは同じ映画とは思えないぐらい暗鬱なトーンに変わる。
 アジャーニが狂気に陥り、スーションが殺人に走るラストも説明不足で、無理矢理終わらせたような印象しか残らない。
 原作はセバスチャン・ジャプリゾの同名小説。ドゥ・マゴ賞も受賞した作品だというから、本当はもっと謎解きの興味を強調した映画にもできたはずなのだが。
 個人的ランキングは断然Aですが、お勧め度としてはB。
 
(1983年 フランス 134分)

 ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度
 ※A=ぜひ!(^o^) B=よかったら(^^; C=ヒマなら(-_-) D=やめとけ(>_<)

73『ダウン・バイ・ロー』(1986年/米・西独)A
72『不意打ち』(1964年/米)C
71『ショート・サーキット』(1986年/米)B
70『大人は判ってくれない』(1959年/仏)A
69『知りすぎていた男』(1955年/米)C
68『嫌われ松子の一生』(2006年/東宝)B
67『スカーフェイス』(1983年/米)A
66『七年目の浮気』(1955年/米)B
65『パーマネント・バケーション』(1980年/米)B
64『孫文の義士団』(2009年/香・中)B
63『ゾンビ ディレクターズ・カット版』(1978年/米・伊)C
62『ターミネーター2 特別編 スペシャルコレクション』(2000年・1991年/米)A
61『スチューデント』(1988年/仏)B
60『突撃』(1957年/米)B
59『ポルターガイスト』(1982年/米)C
58『バビロンの陽光』(2011年/イラクほか)B
57『SRサイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム』(2010年/ティ・ジョイ)A
56『ソラリス』(2002年/米)B
55『キッチン・ストーリー』(2003年/ノルウェーほか)B
54『SUPER 8/スーパーエイト』(2011年/米)B
53 『サイン』(2002年/米)A
52『RED/レッド』(2010年/米)B
51『X-MEN:ファースト・ゼネレーション』(2011年/米)B
50『彼女が消えた浜辺』(2009年/イラン)A
49『たまたま』(2011年/WOWOW)C
48『ストレンジャー・ザン・パラダイス』(1984年/米・西独)A
47『愛のメモリー』(1976年/米)B
46『ホワイトハンター ブラックハート』(1990年/米)B
45『星空の用心棒』(1967年/西・仏)D
44『華氏911』(2004年/米)A
43『荒野の七人』(1960年/米)A
42『ブラック・スワン』(2010年/米)B
41『ウディ・ガスリー わが心のふるさと』(1976年/米)B
40『男たちの大和 YAMATO』(2005年/東映)B
39『ロリータ』(1962年/英・米)B
38『エクソシスト2』(1977年/米)B
37『プリンセス・トヨトミ』(2011年/東宝)D
36『劇場版 科学忍者隊ガッチャマン』(1978年/松竹・富士)C
35『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(1995年/米)B
34『孤高のメス』(2010年/東映)A
33『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』(2009年/東宝)B
32『ボウリング・フォー・コロンバイン』(2002年/加・米)A
31『ザ・タウン』(2010年/米)C
30『PLANET OF THE APES 猿の惑星』(2001年/米)B
29『恐怖の報酬』(1953年/仏)A
28『モンゴル』(2007年/独ほか)C
27『ペイチェック 消された記憶』(2003年/米)B
26『アウェイク』(2007年/米)A
25『御用金』(1969年/東映)B
24『普通の人々』(1980年/米)A
23『人生劇場 飛車角と吉良常』(1968年/東映)B
22『おっぱいバレー』(2009年/東映)B
21『反撥』(1965年/英)B
20『黒部の太陽』(1968年/日活)B
19『ディボース・ショウ』(2003年/米)B
18『クライシス・オブ・アメリカ』(2004年/米)C
17『ネットワーク』(1976年/米)C
16『チーム・バチスタの栄光』(2008年/東宝)C
15『ニュー・シネマ・パラダイス』(1989年/伊・仏)B
14『ロンゲスト・ヤード』(1974年/米)A
13『北京の55日』(1963年/米)C
12『タイ・カップ』(1995年/米)A
11『めまい』(1958年/米)B
10『おかしなおかしなおかしな世界』(1963年/米)C
9『ザ・ロード』(2009年/米)C
8『黄金の七人』(1965年/伊)B
7『白いリボン』(2009年/オーストリアほか)B
6『ミーン・ストリート』(1973年/米)A
5『デルス・ウザーラ』(1975年/ソ・日)A
4『JSA』(2000年/韓国)B
3『あしたのジョー』(2011年/東宝)C
2『ボーン・アイデンティティー』(2002年/米)A
1『ハイ・クライムズ』(2002年/米)B